本記事公開時点で9200万DLを突破している“新しい未来のテレビ”ABEMAと、190以上の国や地域で利用される世界最大級の動画配信プラットフォームであるNetflixが、いま手を組む意義とは何か。
ABEMA総合プロデューサーでサイバーエージェント社長の藤田晋と、「全裸監督」「今際の国のアリス」「First Love 初恋」など数々のヒット作品でクリエイティブ統括を担当してきたNetflixコンテンツ部門バイス・プレジデントの坂本和隆、初対談を果たした二人が共通して見据えているのは「グローバル」だ。
──パートナーシップ締結の経緯と狙いは。
坂本和隆(以下、坂本):コンテンツスタジオ「BABEL LABEL」の藤井道人さんの引き合わせで、2022年に初めて藤田さんにお会いしました。そこで「ABEMAの恋愛番組を一緒につくりませんか」とご提案をいただいて、当時はまだABEMAが他社と組んで一緒に作品作りをするという発想がなかったものの、彼らが大切にしてきた作品にNetflixらしさを加える発想に可能性を感じ「ぜひやりましょう」とお答えしたのが始まりです。出会って2回目の打ち合わせで作品が決まるという、とてもスピーディな展開でした。
藤田晋(以下、藤田):坂本さんへ提案をした理由は、昨年BABEL LABELの藤井さんと手を組んだ当時の問題意識と同様です。作り手もどんどん世界を目指して集まっていく時代なので、国内だけに目を向けて作品を作っていては良いクリエイターが集められないし、自分たちも面白くない。ABEMAはNetflixと組むことで世界にアクセスするゲートウェイを持てます。
「ABEMAが世界進出すればいいのでは」とも言われますが、世界を相手にしたプラットフォームでの成功は、宝くじに当たるくらい難しい。経営者としてそこまで確率の低いことはできないから、より成功の可能性が高い選択肢として、Netflixと一緒に、という考えに至ったわけです。