意見の受け止められ方をコントロールする能力
自分の意見が人々からどう受け止められるかをコントロールする能力は重要だが、それでも大きなリスクは存在する。理念を持つことだけでは十分ではなく、その理念が正しいものでなければならないのだ。バース大学の研究チームは「この調査結果からは興味深いことに、同性婚への反対といった、人間的な価値観に反するような政治的意見をCEOが示した場合、CEOアクティビズムのプラス効果は消えることが示された」と説明。CEOがこうした問題への反対を表明した場合よりも、まったく意見を示さない場合の方が、その会社で働きたい人が増える傾向にあるのだという。
ケロッグ経営大学院の研究からは、自分の意見に対する論理的根拠を示すことで、こうした問題の一部を緩和できる可能性が示されている。また、論理的根拠を示すことで、聞き手に良い印象を与えられる可能性が大きく高まることも示された。
この研究では、効果的な論理的根拠は必ずしも相手を説得させるものでなくてもよく、他の誰かがその根拠に納得した可能性があると思わせる程度の説得力があれば十分であることもわかっている。つまり、こうした論理的根拠は聞き手にとっての「ノイズ」となり、その意見の裏側にある真の理由を判断する力を鈍らせるのだ。インターネット上の誤情報がこれほど大きな力を持っていることも、これで説明できる。
何らかの政治的問題について意見を表明したいが、聞き手がその意見をどう受け止めるか確信が持てない場合、それを支持する論理的根拠を必ず持つようにしよう。そうすれば、違う考え方の人にも良い印象を与えられる可能性が高まる。
(forbes.com 原文)