北米

2023.02.21

51歳女性候補は「盛りを過ぎた」 CNNキャスター発言に批判殺到

共和党候補ニッキー・ヘイリー(Getty Images)

また認知能力や創造力に関しても、50代が全盛期となり得る。ノーベル経済学賞受賞者31人を対象に、それぞれが最も重要な発見をした時期を調べた研究では、概念的な取り組みをおこなった人の全盛期は25歳だったが、実験的な取り組みを行っていた人の全盛期は50代半ばだった。

確かに、認知能力の一部は若いうちに最盛期を迎える。情報処理のスピードが最も高まるのは18~19歳で、短期記憶は25歳くらいから落ち始める。しかし、他者の感情の見極めなどの能力は40~50代でピークを迎え、賢明さ(人生のさまざまな側面に関する深い理解)も中年で最盛期を迎える。

ヘイリーは盛りを過ぎたというレモンの発言が、生殖能力や身体的な強さに言及していたのであれば、それは間違っていない。女性も男性も生殖能力は30代半ばで落ち始めるが、女性の低下ペースは男性よりもはるかに速い。また筋肉量や身体的な強さ、柔軟性は男女ともに20代後半から30代前半にピークを迎える。しかし、こうしたスキルはどれも国のリーダーには不要だ。

レモンのコメントが侮辱的な理由は、ヘイリーが比較的若いからだけではない。女性は年齢を重ねるにつれ、男性よりも低く評価されるようになるからでもある。身体能力がピークを過ぎ、子どもを持てる年齢も過ぎた女性は盛りを過ぎたと考えられる一方で、50代の男性はそうはならない。

レモンは、女性の最盛期をGoogle(グーグル)で検索すれば、自分と同じ見解が示されると主張した。だがグーグルで今「女性の盛りは?」と検索すると、皮肉なことに、レモンのコメントに関するニュースが表示される。ヘイリーを政治家として支持するかどうかは別にして、大統領候補として適した年齢でないと主張するのは難しいだろう。

forbes.com 原文

編集=遠藤宗生

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