北米

2023.02.21

51歳女性候補は「盛りを過ぎた」 CNNキャスター発言に批判殺到

共和党候補ニッキー・ヘイリー(Getty Images)

米CNNテレビのニュース番組で司会を務めるドン・レモンが、米大統領選に出馬を表明した共和党候補ニッキー・ヘイリー(51)について「盛り」を過ぎていると発言し、波紋を呼んでいる。これまでに行われた研究からは、レモンの見解がおおむね間違っていることが示されている。

ヘイリーは大統領選への出馬表明スピーチで、自分よりも年配の候補者を攻撃し「米国が盛りを過ぎたわけではない。盛りを過ぎたのはこの国の政治家だ」と発言。75歳以上の政治家には精神の確かさを確認する検査の実施を義務化するよう訴えた。

CNNの番組では、このヘイリーの要求について議論していた。司会者のレモンは「年齢についてのこうした議論自体に違和感がある」と発言し「この方向性は間違っていると思う。彼女は人、政治家が突然盛りを過ぎると言っているが、ニッキー・ヘイリーも盛りにあるわけではない。申し訳ないが、女性の盛りは20~30代、あるいは40代までと考えられている」と続けた。



共同司会者の女性キャスター、ポピー・ハーロウはすかさず「何の盛り?」と聞き返した。これは、重要な問いだ。レモンが指しているのは、出産に最も適した時期なのだろうか、それとも国を率いるのに適した時期だろうか? 大統領候補は35歳以上が要件なので、そもそも20代で「盛り」になるのは難しい。

学術誌Psychology of Women Quarterly(サイコロジー・オブ・ウィメン・クオータリー)に発表された論文では、女性の人生の最盛期は50代であることが示されている。つまり、ヘイリーは現在まさに最盛期を迎えているのだ。50代の女性は健康状態が改善し、子どもも巣立った頃で、収入も増加。また自信や熱意が高く、個性の幅も広まっていた。

政治の世界では、候補者の盛りは有権者から好感度をもたれる時期と言えるかもしれない。しかしこの点でも、ヘイリーは全盛期にあるようだ。ある研究では、40~50代の候補者は30代、60代、70代の候補者と比べて好まれていることが示されている(80代の候補者は調査対象とならなかった)。
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編集=遠藤宗生

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