トランプ政権下で国連大使も務めたヘイリーは14日、ニュースメディアのアクシオスで公開された動画で、大統領選への出馬を表明。翌15日にサウスカロライナ州で集会を開き、正式に選挙戦を開始した。
正式な出馬を届け出る書類も、連邦選挙委員会に提出済みだ。
51歳のヘイリーは、出馬を表明した動画のなかで、インド系であることや人種差別が根強く残る町で幼少期を過ごしたことに触れた。しかし、米国は「人種差別主義の邪悪な国」ではないとし「これほど真実からかけ離れた話はない」と主張した。
ヘイリーは自身について「失敗ばかり重ねてきたワシントンのエスタブリッシュメント」に代わる存在と位置づけた。そして、共和党は過去8回の大統領選挙のうち7回も、一般投票で敗北していると指摘し「新世代のリーダーシップ」が必要だと呼びかけた。
ヘイリーは、2011年から2017年までサウスカロライナ州知事を務めた後、トランプ政権入りして2017年に米国連大使に就任した。州知事だった2015年には、州内にある米国初の黒人教会で銃乱射事件が発生したのを受け、州議会議事堂に掲揚されていた南部連合の戦旗を撤去することを定めた法案に署名して注目を浴びた。実行犯である白人至上主義者が、車のナンバープレートに南部連合の戦旗をつけていたためだった。
ヘイリーは、2018年にトランプ政権を去った。トランプとは良好な関係だと報じられているが、2020年の大統領選挙でトランプが敗れ、年明け1月6日に米連邦議事堂襲撃事件が発生して以降は、トランプについて批判的な考えを口に出すようになっている。