地域別概要
地域別にみると、2021年との比較では、状況はほぼ横ばいである。北米(8.37)、サハラ以南のアフリカ(4.14)、東欧(5.39)の平均はほとんど変わっていない。
中東・北アフリカのみ、中南米・カリブ海諸国と同様に平均評価が悪化したが、後者2つの悪化傾向は昨年より緩やかになっている。西ヨーロッパだけが、2021年の過去最低(8.22)から2022年の8.36へと平均評価の改善を示している。
ランキングの改善を示す国が47カ国しかなかった2021年に比べ、昨年度は75カ国に増加したことは良いニュースかもしれない。しかし、他の92カ国のランキングは横ばい(42カ国)であるか悪化(44カ国)している。2022年のパンデミック後の個人の自由を回復するための措置などを考えると、これは不十分な結果である。
最も進んだ国、最も後退した国
最も評価が向上したのはタイで、6.06から6.67になった。その他、アンゴラ、ニジェール、モンテネグロ、ギリシャで大きな改善が見られた。ギリシャは「不完全な民主主義」のカテゴリーから「完全な民主主義」のカテゴリーに移行した。
民主主義の問題で最も後退した国の筆頭はロシアで、その指数は最も低下した。それに伴って、ロシアは総合評価では124位から146位へと転落した。ロシアの同盟国であるベラルーシも同様の結果であった。
ブルキナファソ、ハイチ、エルサルバドル、メキシコは同じカテゴリーに属す結果となった。中東・北アフリカは平均指数が最も悪い地域であり、チュニジア、イラク、ヨルダンの評価は、大幅な低下がみられた。
「民主主義指数-2022」の報告書では、政権交代のカテゴリーで変化があったのは5カ国だけで、3カ国の指数が上昇し、2カ国が低下した。チリ、フランス、スペインは、主に市民の自由を制限していたパンデミック対策の解除により、「本格的な民主主義国」のカテゴリーに戻った。