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2023.03.08

「じっとしていたら死んでしまう」、オープンイノベーションで経営危機を乗り越えた旭光電機の成功譚|e-book無料配信中

ビジネスを取り巻く環境がめまぐるしく変わるいま、新規事業の創出は規模を問わず企業の必須課題となっている。その“近道”として注目されているのがオープンイノベーションだが、成功へたどり着くには何が必要なのか。累計登録社数2万6000社超、日本サービス大賞を受賞した日本最大級オープンイノベーションプラットフォーム「AUBA(アウバ)」を運営するeiicon company Platform事業本部長の栗山彩香と、新規受注ゼロから試行錯誤を繰り返してJAXAや外資大手との協業を成し遂げた旭光電機 代表取締役の和田貴志が語り合った。

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OEM企業から脱却せざるを得なかった「変化」

栗山彩香(以下、栗山):30年前の時価総額ランキングは日本が上位を占めていましたが、今はTOP10に1社も入れていません。第四次産業革命に乗り遅れたことが最大の要因で、音楽はCDから配信サービスに、小売はECサイトに移行するなど、既存の市場がいつまで通用するのかわからない時代になっています。

そんな移り変わりの激しい市場に対応するには、プロダクトアウトの発想にとどまらず、ニーズに応えられる新たなビジネスモデルの構築が求められます。既存事業を伸ばすにしても、従来と同じことをしていてはスケールアップが望めません。新たな領域、新たな事業へ目を向ける必要があります。

和田貴志(以下、和田):非常に共感するお話です。時代の変化や求められるニーズに合わせて、企業も変わっていく必要があります。それを自社だけでやっていると、変化のスピードに追いつけません。追いつけないと衰退してしまうので、社外でお互いに得意とするところをマッチングさせて、スピーディーに変化していく必要があります。その変化をチャンスとして活用すべきだと思いますし、オープンイノベーションはその武器のひとつだと思います。

栗山:はい。自社の技術やアイデアを生かしたクローズドイノベーションも有効ですが、社内外の幅広く技術やアイデアを取り入れることで、新たな価値を創出できるオープンイノベーションは、効率的かつ確実性の高い方法だと考えています。

旭光電機さんは、さまざまなオープンイノベーションに取り組まれていますが、最初のきっかけはなんだったのでしょうか。

和田:当社は創業70年余、自動ドア用センサーを日本で初めて開発した会社です。東海道・山陽新幹線のドア用センサーはシェア100%なのですが、約20年前までは特定企業のOEM受注しかしていませんでした。ところが、経営方針が変わり、他からの受注を増やさなくてはならなくなりました。そこで、車載関連企業などさまざまな企業を訪問して営業したのですが、ことごとくうまくいかなかったんですね。実績がないと、検討の対象にすらならない。われわれがカバーできる技術範囲は限定的なので余計に難しく、技術の応用で開発できることなどがあっても、「実績のある会社に頼みます」となってしまうんです。

「わらしべ長者」でJAXAプロジェクトにも参画

栗山:実績がネックになって受注できず、受注できないから新たな領域に進めないという負の連鎖ですね。どうやってそこから突破されたのでしょうか。

和田:困り果てたとき、「産学連携のオープンイノベーションは実績よりもマインドが重視される」と聞いたんです。藁を掴む思いで神戸大学の工学部と農学部を訪ねたところ、研究開発に着手できることになりました。

そのタイミングではビジネスにはつながりませんでしたが、積極的にオープンイノベーションに取り組んでわかったのが、開発までは成功しても、実際の売上につなげるのは本当に難しい。ただ、信頼関係を築けて、技術を理解してもらえるのがかなり大きい。

というのも、そのプロジェクトに参加していた立命館大学の先生からある光学メーカーを紹介され、そこからいろいろとつながって、東京大学の「ほどよし衛星プロジェクト」に参加できることになりました。結果、移動物体を高速かつ高感度で撮影できるTDI撮像装置の開発に世界で初めて成功しました。

それが評価され、JAXA(宇宙航空研究開発機構)から超低高度衛星「つばめ」のプロジェクト公募への応募を打診されました。大手電機メーカーと大手光学メーカーが参加する3社コンペに勝ち、プロジェクトは無事成功。「つばめ」が記録した「高度167.4キロで7日間の軌道保持」はギネス認定の世界記録となって良好な画質画像を取得し、JAXAからは、所期の目的以上の成果を達成したことを示す「エキストラサクセス」と評価いただきました。
 
栗山:まさに、強みである技術を別の分野で応用された成功事例だと思います。自動ドア用センサーの市場から、人工衛星での画像撮影という宇宙ビジネスの市場へ領域を広げていったプロセスは非常に興味深いですね。

和田:いまは、アポロ計画以来の月探査プログラム「アルテミス計画」への参画も予定しています。宇宙ビジネス以外には、通信キャリアや建設業、不動産業、保険業などと連携してIoTビジネスにも参入しています。2022年にはスウェーデンの大手生体認証企業と「スマート社員証」の実証実験を開始しました

私は、オープンイノベーションは童話の「わらしべ長者」に通じると思っています。いろいろな取り組みをしていると、「これはビジネスにつながらないのではないか」と最初から決めつけたくなるときもあります。でも、自分たちの技術力を信じて、真摯に取り組むと新たな展開が不思議と生まれるんですね。単なる運ではなく、引き上げてくれる人、幅広いネットワークを持っている人、弊社を理解して有益な人やモノを紹介してくれる人との出会いがそこにあるからだと思います。だから、どんなお話でも軽んじることなく、「形を変えて結実するかもしれない」という思いをもって取り組んでいます。


「求社票」の作成が大きな一歩につながる

栗山:ただ、そういった「いつビジネルになるかわからない」という不安を解消するのは大変です。AUBAでも、よくそういったご相談を受けるのですが、旭光電機さんの場合、社内でハレーションが起きるようなことはなかったのでしょうか。

和田:ありました。抵抗勢力というほどではありませんが、「そんなふうに遊んでいて、いつ売上につながるのか」といった声も聞こえてきました。そういった声に打ち勝てるように、工夫はいろいろと凝らしました。若手を含む実行部隊がきちんと取り組みについてこられるようにしたのもそうです。

オープンイノベーションだけでなく、新たなチャレンジで必要なのは「必ずできる」というマインドですが、やはり「無理、できない」といったマインドを持つ人は一定数存在します。線路が引かれているところだといい仕事をするのに、自分で荒れ地を開拓しなければならないとなると呆然としてしまって手が動かないタイプです。「もうちょっと考えてみよう」と丁寧に促したり、「こうやったらできる」というイメージを喚起したりすることで克服してきました。

栗山:AUBAでは、「外部への発信をうまくオープンイノベーション推進のエンジンとして活用しましょう」とよく申し上げているのですが、そのあたりはいかがでしょうか。

和田:非常に重視していますし、社内の抵抗勢力への対策としても有効だと感じています。プレスリリースを積極的に出しているほか、新聞などメディアで取り上げられたときは全社に共有しています。実際、お酒の席で「和田さんの話はいつも突拍子もないけど、新聞に取り上げられるなど実績をあげているから仕方ないなと思っています」といわれることもあります(笑)。それこそ、AUBAさんを活用して1件でも結果が出たら「こんなふうにオープンイノベーションで結果が出ました」とプレスリリースを打って社内啓蒙に活用します。

栗山:AUBAでさまざまな企業に接していると、本当は強みがあるのになかなか自信を持てないというケースにも出会います。「オープンイノベーションに参加できるほどじゃない」と過小評価しているのか、一歩踏み出せない企業が多いと感じます。

和田:確かにそのとおりです。大手企業は必死にDXやGXに取り組んでいますが、中小企業は一次サプライヤーや二次サプライヤーですら危機感を持っていないところが少なくありません。でも、弊社がそうであったように、いつまでもいまの状況が続くとは限りません。じっとしていたら死んでしまいますから、アクションを起こすべきだと思いますね。まずは客観的に自社の評価をすることではないでしょうか。「こんな強みがある、ここはもっと伸ばせる、ここが欠けている」ということを知ることが重要だと思いますから、AUBAのようなサービスを活用して、どんどん自社を分析し、アピールするべきではないでしょうか。

栗山:ありがとうございます。まさに、AUBAは求人票ならぬ「求社票」を作成するプラットフォームでもあります。そうやっていろいろな会社の自己PRに接することが、さまざまなビジネスマッチングにつながり、イノベーションを生み出す起点だと思います。

和田:そうやって多くの会社とのつながりができてくると、本当にチャンスが広がります。朝、持ちかけられた話に対して、昼に別の会社さんがぴったりなものを持ってくるということが実際に起こるんですよ。今回、こうやってeiicon company さんともお話ができましたので、ぜひAUBAを活用してさらにオープンイノベーションを加速させていきたいですね。

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和田貴志(わだ・たかし)◎和田貴志(わだ・たかし)◎1982年に旭光電機に入社し、技術部に配属された1986年に考案した自動ドア用近赤外線センサー「パルサーチ」は業界のスタンダードになった。2023年に現職。産業機器用電装品、ロボット、宇宙関連など、さまざまな電装品の開発を指揮している。

栗山彩香(くりやま・あやか)◎Platform事業本部CustomerSuccess担当。2017年よりeiiconに参画。アシスタント部門の立ち上げを経験後、カスタマーサクセス/カスタマーサポート部門の立ち上げに従事。現在は年間約1,400社の支援を実施するCustomerSuccess GroupのLeadを努め、オープンイノベーション及びAUBA活用における伴走支援を実施。
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Promoted by eiicon / text by Hidekazu Takahashi / edit by Hirotaka Imai

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