アジア

2023.02.20 12:00

中国でまたもや企業幹部が失踪、DiDiを急成長させた投資家

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北京に拠点を置く投資銀行「チャイナ・ルネッサンス・ホールディングス(華興資本)」は2月16日の香港証券取引所への届出書類で、同社の創設者のバオ・ファン(包凡)会長と連絡が取れない状態になっていることを報告した。

同社の取締役会は、バオの失踪が同社のビジネスに関連していることを示すいかなる情報も入手していないと述べている。チャイナ・ルネッサンスの株価は17日朝に約50%急落したが、その後はやや回復し、16日との比較で約28%安となっている。フォーブスは同社にコメントを求めたが、現時点で回答は得られていない。

中国では近年、著名な企業幹部の失踪が相次いでいる。BBCによると「中国のウォーレン・バフェット」と呼ばれる複合企業、復星国際の創業者で会長のクオ・クアンチャン(郭広昌)は、2015年12月に行方不明になったが、数日後に再び姿を現した。BBCは、郭が消息を絶っていた間に中国政府の調査に協力したと報じていた。

また、歯に衣着せぬ発言で「中国のトランプ」の異名をとる不動産業界で財を成した富豪のレン・ジチャン(任志強)は、CNNによると2020年に習近平を批判した後に数カ月間行方不明となり、その後、汚職容疑で18年の禁固刑で収監された。

さらに、アリババの創業者の馬雲(ジャック・マー)は、中国の金融規制制度を批判した後に数カ月間姿を消し、2022年に東京で再び姿を現したとされる。同じく中国の投資会社である新城発展(Seazen Group)も2月10日の提出書類で、副会長のQu Dejunが失踪したと報告した。

チャイナ・ルネッサンスのファンは、モルガン・スタンレーとクレディ・スイスに勤務した後の2015年に同社を設立した。彼は、2015年のタクシー配車サービスのDidi Dache(嘀嘀打車)と Kuaidi Dache(快的打車)の合併や、同じく2015年のフードデリバリーMeituan(美団)とDianping(大衆点評)の合併などの注目の取引を手がけたことで注目を集めた。チャイナ・ルネッサンスの2022年上半期の売上高は8780万ドル(約118億円)で、前年比40%減だった。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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