北米

2023.02.19

米国はTikTokを禁止できるのか? バイトダンスが取る対抗策とは

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オプション1 大統領が非常事態を宣言しTikTokを禁止する

バイデン大統領は、非常事態宣言に基づきTikTokを禁止する、もしくは売却を強制することが可能だ。これは、2020年にトランプ前政権がとった措置と同じものだ。

米国大統領は、国際緊急経済権限法(IEEPA)に基づき、非常事態を宣言し、外国の勢力による危険な商業取引の規制または禁止することができる。カリフォルニア大学サンフランシスコ校で憲法と国家安全保障法を教えるジョエル・リチャード・ポール教授は、同法は「極めて強力なツールだ」と述べている。

バイデン大統領とトランプ前大統領が出した大統領令では、特定のハイテク企業の外国人所有は国家的緊急事態に該当すると定めている。しかし2020年のトランプ前大統領の大統領令は一歩踏み込んだもので、米国企業がTikTokとの取引に関与することを禁じ、そこにはウェブホスティングサービスの提供やアプリストアを通じたアプリの配信が含まれていた。

しかし、この大統領令に対しTikTokは、バーマン修正条項(Berman Amendment)と呼ばれるIEEPAの一連の修正条項に基づき、トランプ前大統領には規制の権限がないとして法廷闘争を起こし、勝訴した。バーマン修正条項は、「非商業的で情報提供的な言論」はIEEPA法の対象外であり、外国企業との金融取引を規制することが本来の目的であるこの法律が、一般人の言論の自由の行使を封じてはならないとしている。

一般ユーザーの多くは、TikTokを商業目的で利用しておらず、自己表現のために利用している。そのため、もしバイデン大統領がIEEPAに基づく禁止を再検討する場合は、TikTokを利用する別のグループである広告主を規制対象にすることを検討するかもしれない。

カリフォルニア大学のポール教授によると、最高裁は過去に下した判断で「広告を含む商業的言論は一般的に、個人の言論ほどはその自由が保護されない」と述べている。

また、議会もバイデン大統領に対し、IEEPAに基づきTikTokを禁止するよう求めるかもしれない。共和党のマルコ・ルビオ上院議員らが昨年12月に提出した「反社会的中国共産党法(ANTI-SOCIAL CCP Act)」と呼ばれる法案は、大統領にあらゆる権限を行使してTikTokを禁止させる内容で、バーマン修正条項がその足かせとなることを防いでいる。

TikTokの広報担当者のオバーウェッターに、この法案について質問したところ、「ルビオ議員はTikTokが中国政府とデータを共有しているという意図的な誤報を広め続けている」と主張。「しかし、それでもなお、当社は議員らに対し、そのような共有を防ぐための当社の計画の詳細を説明する機会を歓迎する」とした。
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編集=上田裕資

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