しかし、TikTokの禁止案を巡っては批判の声も上がっており、何百万人もの米国人が自己表現に使用するプラットフォームを禁止することは、「表現の自由」を定める合衆国憲法修正第1条に違反すると考える人もいる。議会やバイデン政権がTikTokの禁止や米国企業への売却を要求すれば、TikTokとバイトダンスは、その措置が米国法に違反していると主張し、法廷で争うことになりそうだ。
もちろん、米政府がTikTokの禁止を見送ることも考えられる。バイトダンスは2年以上前から、米政府の対米外国投資委員会(CFIUS)との交渉を進めている。
TikTokの広報担当者のブルック・オバーウェッターは、フォーブスの取材に「CFIUSとの合意に向けての努力を続け、メディアや市民社会、米国民に対して、当社のアプローチを周知する試みを続けている」と述べた。(情報開示のために言及しておくと、筆者は以前、フェイスブックとスポティファイでポリシー担当の職務に就いていた)
CFIUSとの交渉が成功すれば、バイトダンスは米国でTikTokの運営を継続できるかもしれないが、バイデン政権、もしくは議会の反発によって、この交渉が失敗に終わる可能性もある。もしも、TikTokの「禁止」が決まった場合、それはおそらく、アプリそのものの禁止ではなく、グーグルやアップルのアプリストアからの排除という形になるだろう。
ここでは、米国政府が今後とりうる措置や、それに対してTikTokが行うであろう対抗措置について解説する。