政治

2023.02.18 09:30

米軍が撃墜した飛行物体は愛好家グループの風船?という新説

最近の飛行物体についてメディアに説明するバイデン大統領(Getty Images)

2月16日、最近米軍が撃ち落とした未確認物体が、イリノイ州の愛好家グループが打ち上げた行方不明の気球であった可能性が浮上した。それについてバイデン大統領はすでに政治的批判に直面しているが、政府当局はこの説について言及していない。 

イリノイ州の愛好家グループNorthern Illinois Bottlecap Balloon Brigadeは、最近のブログ記事で、同グループの「pico(ピコ)バルーン(気象気球のような大型と区別するための名称)」が1つ、2月11日にアラスカ南西海岸沖で行方不明になったと書いた。

数時間後、北米航空宇宙防衛司令部の戦闘機がカナダのユーコン準州(アラスカ州と接している)上空で、熱追尾式ミサイルを使って未確認物体を撃墜した。2023年2月、米国軍が撃墜した4つの謎の浮遊物体の3番目となる。

ニュースサイトのAviation Weekが、愛好者グループとユーコンの物体との繋がりの可能性を最初に報じ、2つの事象に関係があるのかどうかを憶測する記者や専門家の注目を引いた。

グループによると、アラスカ海岸沖で消えたバルーンは、戦闘機が物体を撃ち落とした時間に、広大なユーコン準州の中央部を漂っていた可能性が高いことを米国海洋大気庁のHYSPLITモデルが示しているという。

グループのバルーンが最後に通知した高度は約3万9000フィート(約11.9km)だった。米当局はユーコン上空で撃墜した物体は高度約4万フィート(約12.2km)を飛んでいたという。

しかし、この愛好家グループのバルーンは、戦闘機が撃ち落とした物体とするには小さすぎるかもしれない。ホビーサイトのRTL-SDR.comによると、グループのバルーンはおそらく32インチ(約81cm)のマイラーフィルムの製バルーンと思われるが、国防当局は未確認物体の大きさを小型自動車くらいだと述べていた。

この説について、愛好家グループも国防省も発言していない。グループはForbesのコメント要求にすぐには返答せず、国防省はコメントを拒否した。
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翻訳=高橋信夫

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