暮らし

2023.02.23

「アンコン語」、無意識の思い込みで相手に違和感を与える言葉

プレスリリースより

「こういう人って、こうだよね」と無意識のうちに思い込んで、悪気もなく相手に言ってしまう言葉が、実は相手にとって違和感を抱いたり傷ついたりしている……。そんな言葉のことをアンコンシャス・バイアス(無意識の思い込み)語、通称「アンコン語」と言うそうなのですが、みなさんご存知でしたか?

LIFULL HOME’SやLIFULL介護といった事業を運営するLIFULLでは、春の新生活に向けて、アンコン語実態調査を行っています。LIFULLでは2018年から、既成概念にとらわれない、多様な人の多様な生き方をサポートすべく、こうした社会課題に対して取り組んできているとのこと。今回もその一環として、全国の20〜80代の男性、⼥性、LGBTQ の⽅/外国籍の⽅/障がい者の⽅/ シングルマザー・ファザーの⽅、合わせて1000 ⼈に調査しています。

まず、そもそも「アンコンシャスバイアス」という言葉を知っているのかという問いに対し、全く知らないが82%と回答。ただ、障がい者の方と外国籍の方に約3割の方が知っているとしており、より意識の高さを感じます。

続いて、住まいや介護に関する約50のアンコン語の中から、実際に言われ、違和感を覚えた言葉をランキング。住まいカテゴリーでは、「社会人になっても実家暮らしなんて甘やかされてるよね」が1位、「家事がしやすい間取りは奥さんが喜ぶね」が2位となりました。

年代別では、20代から30代の男性は2位の言葉がトップに。60から80代の女性では2位の言葉と「キッチンは女性が使うものだよね」が同率1位という結果となっています。いずれも家事=女性という思い込みから生まれやすい言葉で、シニア層だけでなく若い人たちにも違和感を覚えているようです。


シングルマザー・ファザーの方と外国籍の方では、「女性が家を買うなんてすごい!」が1位に。障がい者の方の場合は「高齢だと家賃を払うのが大変そう」が1位と、それぞれの立場で多くの票を集めた言葉は違っていますが、2位、3位全体を見てみるとだいたい似たような結果となっています。


一方、介護カテゴリーでは、「子供がいないと、老後は面倒を見てくれる人がいなくて大変」と、将来への不安に対する言葉が1位で、「長男・長女なんだから介護をしなきゃ」や「親の介護は、子供がするものでしょ」といった言葉も上位にランクインしており、家族が介護しなければならないという思い込みに対して違和感を覚えるようです。
 
⼀般社団法⼈アンコンシャスバイアス研究所の代表理事を務める守屋智敬さんは、「アンコンシャスバイアスは、過去の経験や⾒聞きしたことに影響を受けて生まれています。そのため、誰にでもあるものです。今回の調査結果は、『無意識のうちに、きっとこうだ!』と思っていたことを、『本当にそうかな?』と思い巡らせたり、アンコンシャス・バイアスを上書きするきっかけとなる点において、貴重な調査だと思います」と述べています。

今回の調査では、すでにアンコン語として抽出された中から選択するため、その中での順位付けであることに留意が必要です。「新⽣活アンコン語実態調査2023 特設サイト」では、それぞれ1位になったアンコン語に対して、回答した方々のコメントも読めるので、より理解が進むのではないでしょうか。

出典:LIFULL「新⽣活アンコン語実態調査2023 特設サイト」より

文=飯島範久

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