そんなことはない。以前にも書いたことがあるが、テスラ株が50ドル以下になる理由が4つある。
・マスクのツイッターにテスラの顧客はうんざりしている。それは彼がツイッターを所有している限り変わらない
・電気自動車(EV)のユーザーはテスラのライバル会社から購入し始めている
・テスラは販売台数を伸ばすために大幅な値引きをして、以前の購入者を怒らせている
・テスラ株は著しく割高である
マスクがツイッターを所有している限り、広告主が戻ってくることも、テスラの主要顧客がツイッターのヘイトスピーチを不快に思わなくなることはないだろう。
一方、EVユーザーが現在もテスラのライバルからクルマを買い、同社が今も値引きを続けていることで、テスラ株(今年に入って94%値上がりした)は、ますます割高になっている。
(筆者は本稿で言及されている有価証券に金銭的利害関係を持たない)
ツイッターに新CEO?
2月15日、マスクは昨年440億ドル(約5兆9000億円)で買収したツイッターについて、2023年末までに新CEOを招聘すると語った。ドバイで開催された世界政府会議で講演したマスクは「組織が安定し、財政的に健全な場所になり、プロダクトのロードマップが明確に定義されたことを確認した」後にCEOを交代するつもりだと述べている。今年中にツイッターの新CEOを雇うというマスクの計画はさまざまな疑問を投げかけた。彼は本当に辞めるのか? もしそうなら新CEOはツイッターからヘイトスピーチをなくし、広告主を呼び戻す力を持っているのか? マスクは2024年もツイッターに残って、以前述べていたように技術部門を指揮するのだろうか?
これらの質問に対する答えは、私は知らない。しかしもし彼が新CEOを雇い、自身でツイッターの技術部門を見るために残るのであれば、マスクはテスラに集中できないままになる可能性がある。
ツイッターを買収するために抱えた負債130億ドル(約1兆7000億円)の四半期ごとの利息支払いは年間15億ドル(約2000億円)に上っており、この負債を支払うためにマスクがテスラ株をさらに売却する可能性も残っている。
現在のツイッターにテスラユーザーはうんざり
マスクが2022年10月にツイッターを買収して以来、テスラ顧客はマスクに関わっていることを恥ずかしく思うようになっている。典型例がテスラ車のオーナーであるジョン・ブルーメンソールで「人は私を右翼環境保護主義の象徴と見ているのでしょうか、それとも歩く矛盾? 今のマスクは極右に寄っているようです。ツイッターからジャーナリズムを追い出し、ネオナチを復活させています。私はどこへ行っても彼のブランドと結びつけられることに恐怖を感じています」とロサンゼルス・タイムズに書いている。