太陽と月を除き、夜空で最も明るい天体である金星だ。
金星は、クリスマスの南西の低空から、現在の位置へとゆっくり昇り続けている。日没後に南西を見上げればほとんど見逃す人はいないが、それは数時間ほどのことで、その後地平線に沈んでしまう。
これは序章にすぎない。なぜなら2023年は輝ける金星に支配される年だから。
金星は8年の周期を持ち、その間に太陽を13回周回し、ある時期は「Evening Star(宵の明星)」として、ある時期は「Morning Star(明けの明星)」として地球の日没後の夜空を飾る。
2023年、太陽から2番目に近い惑星である金星は、日没後に空高く昇り、6月4日に(地球から見て)太陽から最も遠い点に達するまで明るくなっていく。
それまでの間、金星は最も明るい「天体」として夜空で誰も見逃すことのないすばらしい光景を見せてくれる。最も明るく美しい金星を見るタイミングは以下のとおりだ。
・2023年2月21~23日。木星、金星そして細い三日月が一列に並ぶ。日没後に南西を見よう
・2023年3月1日。木星と金星が互いにわずか0度32分(満月の見かけの大きさほど)の距離に現れる。2月の終わりから3月4日にかけて毎晩観察するのがおすすめだ
・2023年4月10日。金星がプレアデス星団に接近する
・2023年5月21日。金星がふたご座の最も明るい2つの星、カストルとポルックスに接近する
・2023年6月4日。金星が「東方最大離角」になる。夜空で地平線から最も高く見える位置だ
・2023年7月7日。金星が「greatest brilliance(最大光度)」を迎える。三日月状に欠けてはいるが最も明るくなる、ただし地平線よりずっと低い位置にいる
晩秋から春、初夏にかけて見事な姿を見せた後、金星はすばやく色あせて地平線へと沈み、夜明け前の「明けの明星」としてのみ、同じ壮観さで、ただし見られることの少ないその姿を表す。
金星は地球と「双子の惑星」といわれるが、どちらも火山とクレーターに満ちたほぼ同じ密度の地球型惑星であること以外、違いは大きい。
・金星の表面は最高465℃に上り、二酸化炭素の厚い大気に覆われている。水星よりも太陽から遠いにも関わらず、表面温度は高い
・金星は243地球日をかけて自転しているが、225地球日かけて太陽を公転している。このため金星の1日は1年よりわずかに長い!
・太陽系の惑星はすべて反時計回りに自転しているが、金星だけは例外だ
澄み切った空と大きな瞳に願いを込めて。
(forbes.com 原文)