私は、2022年11月おわりに豪州シドニーで開催された「ウニベルソ・フェラーリ」なる、古今のフェラーリモデルを集めたうえ、モータースポーツを含めて、フェラーリの活動を俯瞰できるイベントに参加。夜のパーティに集まったオーナーたちを見ていて、上記のように感じた。
シドニーなので、招待客の肌の色も喋る言語も多様。数々のフェラーリモデルを囲みながら、客同士が談笑している。フェラーリという共通の”言語”が、みなを結びつけているように感じられた。
審美性、性能、そしてブランド。フェラーリの価値は世界共通なのだろう。
フェラーリの揺るぎない魅力を実感させてくれるのが、2021年に登場した新型スポーツカー「296GTB」だ。2.9リッターの6気筒エンジンをミドシップ。しかもプラグインハイブリッド化されている。静止から時速100kmまでの加速に要する時間はわずか2.9秒。いっぽう、モーターだけで25km走行できる。
ボディは徹底的に空力効果を追求。同時に、名デザインとして名高い1964年のフェラーリ250LMのイメージを活かしている。シャープな印象だが、それでいて、エレガントで、古典的な美も感じられる。”Best Of Both Worlds”(いいとこ取り)なる英語の表現がぴったりなのだ。走りも同様。サーキットでも楽しめる操縦性をもちつつ、一般道ではかなり楽チン。乗り心地は快適だし、トルクは低回転域からたっぷりあって、市街地でも扱いやすい。フェラーリの世界に入る道はいろいろあるだろうけれど、296GTBはその王道かもしれない。
欧米では、ビジネスの場でも”何に乗ってるの”と訊かれることが多々ある(はず)。そのとき、英語ならぬ”フェラーリ”を喋れれば、自分を語るのに役立ちそうだ。
Ferrari 296GTB
ボディ外寸:全長×全幅×全高=4565×1958×1187mm
エンジン:2992ccV型6気筒(プラグインハイブリッド)
出力:最高出力488kW 最大トルク740Nm
eレンジ:25km
価格:3710万円
問い合わせ:https://www.ferrari.com/