NBAを「ビジネスライクなスポーツ」に変えたキーマンと日本戦略

ロサンゼルス・レイカーズの八村塁選手とブルックリン・ネッツの渡邊雄太選手(Photo by Sarah Stier/Getty Images)

しかし一方で、前代未聞の「野球場での公式戦開催」をコミッショナー自ら提案し、興行を委託してくれた。

11月に東京ドームで、シャキール・オニールを擁するオーランド・マジック対ロサンゼルス・クリッパーズのシーズンオープナーを2日間開催することになったのだ。結果、本国の規模を上回る、7万人を超える観衆を集め、NBA史に残る大記録となった。

99年にも東京ドームでの公式戦は行われたが、ジョーダンやオニールといった日本で知名度の高いスター選手が不在だったこともあり、96年の観客動員数を超えることはなかった。

そして2003年のさいたまスーパーアリーナ以降16年空白期間が続いていたが、2019年に『NBA Japan Games 2019 Presented by Rakuten』として再来日を果たし、昨年にも3年ぶりに開催されている。
八村塁選手(Photo by Clicks Images/Getty Images)

八村塁選手(Photo by Clicks Images/Getty Images)


スターンの戦略と戦術を継承するNBAにとって、日本市場の再活性化は念願であることは間違いない。

中国や欧州、豪州などの海外出身選手もNBA入りを果たすようになって、世界規模でファン層の拡大が進んでいる。スターンの目論見通り、NBAの世界制覇が現実化している。

そんなNBAが渡邊選手と八村選手の活躍を見逃すはずはない。ビジネスの面でも大きな起爆剤とすることだろう。

東京ドームに巨大なバスケットボール用観客席が、再び特設される日も遠くないと思える。

連載:スポーツ・エンタメビジネス「ドクターK」の視点

渡邊雄太選手(Photo by Dustin Satloff/Getty Images)

渡邊雄太選手(Photo by Dustin Satloff/Getty Images)

文=北谷賢司 編集=宇藤智子

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