UNDER 30

2023.02.16 17:30

物流で社会を変えた!データドリブンで、全方よし!

Forbes JAPAN編集部
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2014年、旅行のためフィリピンに来た当時20歳の中国人ケビン・チャンが見たのは、急速に発展する経済、そして増え続ける車両や貨物の管理に困っている物流会社だった。そこにビジネスチャンスを見いだしたケビンは、英語すらうまくしゃべれないままフィリピンで運送会社の貨物とドライバーの管理サービスとしてInteluckを創業した。

現在は物流業者向けのトラック追跡サービスや、コカ・コーラ、ネスレ等の顧客がオンデマンドでInteluckに登録した物流業者から配送トラックを選び予約できるサービスを提供。オンライン注文急増を受け急成長中だ。「私たちは道路状況や天候等のデータや、車両から IoT デバイスを通じて収集されたデータを分析し物流を最適化しています。輸送費や排出ガスも削減できます」。

Inteluckは同時に中小物流業者の生活も支えている。コロナ禍当初、経済の落ち込みは中小物流業者に大きな打撃を与えたが、Inteluckに入る運送依頼により食いつなぐことができた業者も多いという。「2020年は2台しかトラックがなかった業者がInteluckにより成長し直近で12台もの追加トラックを購入した事例もあり、そうした喜びの声が私たちの原動力です」。現在Inteluckは約2万台のトラック契約をもつ国内最大級の輸送会社であり、ASEAN諸国でのクロスボーダーサービスを加速させている。「東南アジアで最も役に立つロジスティクス企業になりたい」


ケビン・チャン◎中国生まれ。Inteluck創業者兼CEO。中国の南開大学在学中、言語アプリの開発を行い6カ月で 100 万ダウンロードを達成する。2014年にInteluckを創業。アジア版「Forbes 30 Under30 2022」に選出。

文=フォーブス ジャパン編集部 写真=アダム・ディーン

この記事は 「Forbes JAPAN No.102 2023年2月号(2022/12/23発売)」に掲載されています。 定期購読はこちら >>

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