ルイ・ヴィトンがファレル・ウィリアムスを起用しブランドを強化

Pharrell Williams(Getty Images)

音楽プロデューサーで歌手のファレル・ウィリアムスが、Louis Vuitton(ルイ・ヴィトン)のメンズウェアコレクションのクリエイティブディレクターを務めると、同ブランドが2月14日発表した。ウィリアムスは、2021年から空白だったこのポジションを引き継ぎ、ストリートウェアスタイルを取り入れ、セレブを起用する近年のルイ・ヴィトンの取り組みを続けていく。

2004年と2008年に同ブランドとコラボをしたウィリアムスは、6月にパリで開催されるメンズファッション・ウィークでルイ・ヴィトンのための初のコレクションを発表する予定だ。

同ブランドは、発表の中でグラミー賞を13回受賞したレコーディング・アーティストとしてのウィリアムスの成功と、彼が2019年に設立した公教育の公平性を目指す非営利団体「YELLOW」の活動について言及した。

ウィリアムスは、2005年に設立したBILLIONAIRE BOYS CLUB(ビリオネア・ボーイズ・クラブ)とスケートボードブランドのICECREAM(アイスクリーム)のアパレルをデザインしている。彼は、2019年にリアーナが高級アパレルライン「Fenty(フェンティ)」の商品開発に起用されて以来、ルイ・ヴィトンの親会社のLVMHと提携する2人目の著名ミュージシャンとなる。

今回のウィリアムスの起用は、2017年の「Supreme(シュプリーム)」とのコラボや、翌年の高級ストリートウェアブランド「Off-White(オフホワイト)」の創設者の故ヴァージル・アブローの採用に続く、ルイ・ヴィトンのストリートファッションへの取り組みを補完するものとなる。

LVMHは1月26日の2022年12月通期決算発表で、ルイ・ヴィトンの昨年の売上高が214億ドル(約2兆8400億円)だったと発表した。同ブランドが単年度の売上高で200億ドル(約2兆6600億円)を突破したのはこれが初めてだ。

2人目の黒人のアメリカ人

ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)によると、ウィリアムスは、欧州の高級ファッションブランドのヘッドデザイナーに就任した2人目の黒人のアメリカ人となった。前任者のアブローは、2018年に就任し2021年に亡くなっていた。

グラミー賞を13回受賞したウィリアムスは、1990年代後半にヒップホップグループ「ザ・ネプチューンズ」の一員として注目を集めた後にプロデューサーとして活躍している。彼は、自身の楽曲の『Happy』を含めて4曲のビルボードホット100で1位を獲得した楽曲のクレジットに名を連ねている。

ウィリアムスは、日本のファッションデザイナーで現在はLVMHが所有する別のブランド「KENZO(ケンゾー)」のクリエイティブディレクターを務めるNIGOと共同で、ストリートウェアレーベル「ビリオネア・ボーイズ・クラブ」と「アイスクリーム」を設立した。また、2004年には当時ルイ・ヴィトンのクリエイティブディレクターだったマーク・ジェイコブスとサングラスを共同開発した。

ウィリアムスはその後、CHANEL(シャネル)やMONCLER(モンクレール)、adidas(アディダス)などのブランドと提携し、スキンケアラインの「HUMAN RACE(ヒューマンレース)」を立ち上げた。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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