経済

2023.02.17

新型コロナで傷ついた中国経済の回復はまだ先、かつての勢いも期待できず

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中国について人々や市場は再び楽観的な見方を示した。国民の圧力に屈した中国政府はゼロコロナ政策を撤回し、厳しいロックダウンと検疫を終わらせた。この「再開」によって経済が活性化するという期待がある。例えば、香港に上場している中国企業の中から選ばれた銘柄で構成されるハンセン指数は、一時期の落ち込みからあっという間に回復した。活動再開が最終的に中国経済や市場への反映に役立つことは間違いないだろうが、第4四半期が厳しかったこと、また新型コロナの症例も急増しそうなことから、当面の中国経済の見通しはかなり悪そうだ。多くの人が期待するような中国の景気回復は早くとも今春、もしくは2023年下半期まで待たなければならないだろう。

2023年、中国経済はダメージを受けた状態でスタートした。独立系コンサルタントのChina Beige Book International(チャイナ・ベージュ・ブック・インターナショナル)によれば、全四半期に中国経済は後退していると主張する。また、中国に関するデータソースとして知られているCaixin(財新)は、製造業購買担当者景気指数(PMI)が2022年11月の49.4から12月には49となり、景気低迷を示しながら2022年を終えたと報告している。この指標では50を下回ると経済縮小を意味する。

中国国家統計局(NBS)の公式な製造業購買担当者指数(PMI)は一層落胆させるものだった。2022年11月の48から12月には47に下がったのだ。非製造業の指数はさらに悪く、11月の46.7から12月は41.6に落ち込んでいる。注意すべきは生産高、受注高、雇用者数のすべての副指数も12月に低下したことだ。納品も遅く、供給の混乱が続いていることを示唆している。明らかに、中国企業の回復は遅れている。

この弱体化は以前から続いていた。財新の集計を見てみると、製造業PMIが一時55の高水準に達した2022年6月に本格的な低迷が始まったことがわかる。同様に、NBSの製造業と非製造業の指標も同じく6月以降、徐々に低下している。この長引いている悪化を踏まえ、チャイナ・ベージュ・ブック・インターナショナルのアナリストは、公式発表の数字がどうであれ、2022年の中国経済の成長率は2%以下だったと推測している。
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翻訳=溝口慈子

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