気候・環境

2023.02.17 16:30

規制強化にも関わらず、プラスチックごみは今でも急速に増加中

一方で、米国の海洋保護団体Ocean Conservancy(オーシャン・コンサバンシー)が運営する海洋ゴミクリーンアップ活動「Trash Free Seas(トラッシュ・フリー・シーズ)」のバイスプレジデント、ニコラス・マリョスは、科学者たちが何年も前からモデル化し予測してきたことが現実のものとなっていると話す。すなわち、使い捨てプラスチックの廃棄が増加しているのだ。

「残念だが、それによって海洋に壊滅的な影響がおよぶことが予想される」とマリョスは述べる。「使い捨てプラスチックの生産量が増えれば、海に流れ込む量も増える。それが海洋生物の体に絡まり、窒息させてしまう。使い捨てプラスチックからは有毒な化学物質も浸出する」

マリョスはまた、政府、投資家、企業が今回の報告書をきっかけに、プラスチック削減を気候変動対策の中核に据える必要があることを痛感する必要があると述べた。

英国のEllen MacArthur Foundation(エレン・マッカーサー財団)とUNEP(国連環境計画)が2022年11月に発表した報告書では、2025年までにプラスチック包装を100%再利用可能/リサイクル可能/堆肥化可能なものにするというコミットメントは実現されないであろうと予測されている。このコミットメントは、プラスチックが廃棄されたり汚染源になったりしない循環型経済を目指して、世界の500社を超える企業が共同で掲げたものだ。

実現が見込まれない理由は、リサイクル施設とフレキシブル包装材への投資が不十分であることだと、報告書は述べている。

forbes.com 原文

翻訳=遠藤康子/ガリレオ

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