国内

2023.02.22

船舶労務管理をDX、「サブーン」が7カ月でシェア2%を取れたワケ

提供=ザブーン

船舶の労務管理を手掛けるスタートアップの「ザブーン」がシェアを伸ばしている。同社が2022年6月にローンチした労務管理システム「MARITIME7(マリタイムセブン)」は、今年1月末時点で200隻(導入予定も含む)が導入する。日本国内の貨物輸送に使用される内航船は約7500隻あり、シェアは2%を超えた。

MARITIME7は、船員の勤怠管理がスマホでできるほか、日誌や予備品の在庫管理などがクラウド上で一元管理できるサービスだ。



多くの船舶では紙による管理が行われているほか、2022年4月施行の改正船員法で、より細かい労務管理が必要になった。具体的には

・船舶の労働管理の責任所在を明確化(陸上の事務局で労務管理責任者を選任)
・防火操練、航海当直の交代が労働時間に組み込まれ、労働内容として把握すべき項目が増加

といったもので、MARITIME7は管理コスト削減のツールとして導入が進んでいる。

同社は2月22日、DIMENSION、インキュベイトファンド、SMBCベンチャーキャピタル、山口キャピタル、個人投資家から、プレシリーズAで1億6000万円の資金調達を実施したと発表した。

ザブーンの戸高克也(とだか・かつや)CEOは、家業の船舶管理会社で船舶管理責任者を約10年経験。そこで目の当たりにした業界の課題を解決するべく、起業した。サービス導入が進む理由についてはこう話す。

「訪船(管理している船を訪ね、メンテナンス業務などを行う)担当者と私で、北海道から沖縄まで、さまざまな種類の船を訪ね、セールスチームやエンジニアチームに現場の課題を徹底して共有しました。得た課題を数週間で追加機能としてリリースする開発スピードが、支持されている要因の一つだと思います」

文=露原直人

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