北米

2023.02.14

米国は中国から何を買っているのか? 政治的緊張でも拡大する貿易

Getty Images

米国のジョー・バイデン政権が米企業による中国への投資制限を検討する一方で、両国間の貿易は引き続き拡大している。

中国の監視用気球が米本土上空に飛来した問題を受けて、米議会では中国の軍事的・経済的影響力に対する懸念が一気に高まった。

民主・共和両党の議員は、中国による監視活動を阻止するようバイデン大統領に要請。ニューヨーク・タイムズの報道によると、大統領は長く待ち望まれていた米企業による中国への投資規制を向こう2週間以内に発表する見通しとなっている。

米中間の政治的緊張が高まっているにもかかわらず、米商務省が7日に発表した貿易統計によると、2022年の対中輸入額は5368億ドル(約71兆2200億円)と前年から6.3%増えた。中国への輸出額も1538億ドル(約20兆4100億円)で1.6%伸びている。

バイデン政権はこれまで、ドナルド・トランプ前政権が導入した対中関税の一部維持や、半導体生産をはじめとする国内産業への投資を通じた競争力向上といった措置によって、中国からの輸入の抑制に取り組んできた。

2022年に中国からの輸入額が大きかった品目は次のようになっている。

1. スマートフォン(502億ドル)
2. 自動デジタル処理機(492億ドル)
3. 車輪付き玩具・空気注入式のボール・パズル・模型(163億ドル)
4. 家庭用ゲーム機とその部品(102億ドル)
5. 音声や画像といった各種データの送受信・変換機(85億ドル)
6. リチウムイオン電池(73億ドル)
7. 自動データ処理機用モニター(70億ドル)
8. 計量済みの薬剤(69億ドル)
9. コンピューターやその他データ処理機用のアクセサリー類(68億ドル)
10. プラスチック製品(46億ドル)

ちなみに輸入額が小さかった品目はキツネの毛皮(429ドル)や爬虫(はちゅう)類の皮(729ドル)などだった。

forbes.com 原文

編集=江戸伸禎

ForbesBrandVoice

人気記事