ニュースサイトMacRumorsが2月10日に報じた中国のウェイボー(微博)に掲載されたリーク情報によると、アップルは従来のLightning関連アクセサリーの認証に用いていたものと同様のチップを、iPhone 15の全モデルのUSB-Cポートに統合する予定という。これがもし事実であれば、すべてのiPhone 15のアクセサリーに大幅なコストが追加され、認証を受けないケーブルの性能や機能が制限される可能性がある。
2012年に導入された認証チップは、ポートに接続されたアクセサリが、アップルのMFi(Made for iPhone/iPad)認証プログラムのライセンスを受けたものであることを確認するためのものだ。MFi認証に関するロイヤリティは公開されていないが、コネクタ1個あたり4ドル(約530円)と報道されている。接続されたアクセサリーが認証を受けていない場合、性能が低下したり、iPhoneに警告がポップアップ表示される場合がある。
以前の業界の見方では、アップルは従来のMFi認証の支配力と金銭的メリットから、iPhoneにUSB-Cを採用することはないと考えられてきた。しかし、USB-Cポートに認証チップを組み込むことで、アップルは国際法を遵守しつつ、以前からの利権を維持できる。
さらに、アップルはこの取り組みの正当性をアピールできる。粗悪なUSB-Cケーブルは端末にダメージを与える危険があるとして、アップルは認証済みのケーブルがユーザーと新品のiPhone 15の両方を保護できると主張するだろう。一方、MFi認証を受けていないメーカーは、不利な立場に置かれることになる。
アップルは、第10世代のiPadやMacBookをUSB-Cに移行させる際に、認証チップを追加しなかったが、これらのデバイスにも将来的に、このチップが追加される可能性がある。
iPhone 15に、MFi認証を受けていないケーブルを接続した場合に何が起こるかはまだ不明だが、一部のアナリストは、高速のデータ転送や急速充電などが制限される可能性があると述べている。
もしも、今回のリーク情報が正しいのであれば、アップルはまたもやマネタイズの名人芸を披露することになる。大胆な戦略だが、ユーザーを保護するという大義名分もある。さすがアップルというしかない。
(forbes.com 原文)