ハワイの風物詩「ソニーオープン」とマイケル・ジャクソンの意外な繋がり

ソニーオープン・イン・ハワイの会場「ワイアラエ・カントリークラブ」

マイケル・ジャクソンのサポートもあって実現したソニーオープン・イン・ハワイ。毎年100を超える地元ハワイの非営利団体に通算で23億ドルを寄付しているビッグイベントとなり、ハワイの年初1月の風物詩となった。とくに「若者や子どもに本物のプレーを見せたい」という設立当初からの思いがあり、会場には家族でゴルフ観戦を楽しむ姿が多く見られる。

マイケル・ジャクソンから当時のソニーハワイ社長だった坂井さんに贈られた感謝状

マイケル・ジャクソンから当時のソニーハワイ社長だった坂井さんに贈られた感謝状


坂井さんによれば、この大会には「5つの願い」があるそうだ。1つはハワイ州の日系人に恩返しすること。ソニーが米国に進出する際、ハワイの日系人に多大な恩義を受けたことから、その恩返しの想いが込められている。PGAツアーで大会名に土地の名前を入れているのは現在でもこの大会だけだ。

2つ目はオープントーナメントにすること。3つ目はアジア人選手にとっての登竜門にすること。いまもスポンサー出場枠の1つをアジアの選手に確保している。4つ目はソニーのエンターテインメントの舞台とする。スポンサーを招いての特別デイナーショーには毎年ソニーの専属歌手や映画スターが登場する。

そして最後の5つ目は「この大会で日本人選手が優勝すること」だった。この5つ目の願いが実に24年を経て実現されたのが、昨年の松山選手の優勝だったのだ。

ハワイとマイケル・ジャクソン。一見、縁もゆかりもなさそうだが、こんなエピソードが隠れていたことに筆者自身も驚いている。ハワイはやっぱり奥が深い。ワイアラエの美しいグリーンを眺めながら、そんな風に思うのである。

文・写真=岩瀬英介

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