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2023.02.13 13:30

配車サービスLyftが株価暴落、Uberに「敗北確定」との見方

Getty Images

配車サービスLyft(リフト)の株価は、直近の四半期の業績が予想を大きく下回ったことで2月10日に暴落した。これを受け、複数のアナリストが、同社と長年の宿敵である Uber(ウーバー)との戦争に決着がついたと宣言する事態に発展した。

9日の引け後に発表された決算報告で、リフトは10-12月期の1株当たり利益が0.76ドルの損失だったことを報告したが、市場予想は1株あたり0.13ドルのプラスだった。また、同社は第1四半期に約9億7500万ドル(約1280億円)の収益を見込んでいるが、これもアナリスト予想の10億7000万ドル(約1410億円)を大きく下回り、リフトの財務的成長が止まりつつあることを示している。

ウォール街はこのニュースに強く反応し、Truist(トゥルーイスト)やWedbush(ウェドブッシュ)、Wells Fargo(ウェルズ・ファーゴ)などの少なくとも9社がリフト株を買い評価からからホールドに格下げし、他の多くの企業も目標株価を引き下げた。

リフトの株価は米東部時間10日の正午過ぎに36%安の10.34ドルをつけて過去最安値に接近し、上場後の4年間で最悪レベルの1日を記録した。

ドイツ銀行のアナリストのベンジャミン・ブラックは、リフトの四半期決算が「投資家により多くの疑問を残した」と述べた。一方で長年のライバルのUber(ウーバー)がリフトよりも「パンデミックからの力強い回復を見せた」と評価した。

リフトの10-12月期のアクティブ顧客数は2040万人と、2019年同期の2290万人に届かず、パンデミック前と同じ水準には回復していない。ファクトセットのデータでウーバの同期間の月間アクティブユーザー数は18%の増加だった。

ウェドブッシュのダン・アイブスは10日の顧客向けメモで、リフトの決算後の電話会談は、彼がこれまで聞いた中で最悪のものの3つに入ると述べ「経営陣は費用構造に目隠しをしてダーツをしようとしている」と指摘し、利益見通しが稀に見る悲惨さだと付け加えた。

事業売却を検討すべきという見方も

アイブスは「ライドシェアは勝者総取りの市場だ」というドイツ銀行のブラックの見方に同意し「リフトは前途多難な負け組のように見える」と述べた。

リフトの10日時点の時価総額は約38億ドルに沈んでおり、同社の価値は2019年3月の上場時の評価額240億ドル(約3兆1620億円)の約6分の1に縮小したことになる。同社の株価は、2022年に74%下落した。リフトの悲惨な決算発表は、ウーバーが売上と利益の両方で市場予想を上回り、ダラ・コスロシャヒCEOが「過去最高の四半期」と宣言した翌日に行われた。

投資家は、ウォール街の景況感が悪化する中で、リフトが次にどう動くかに注目している。ウェドブッシュのアイブスは、事業売却が最良の選択肢だと述べたが、一方でNew Street Research (ニュー・ストリート・リサーチ)のアナリストのピエール・フェラグは以前に「DoorDash(ドアダッシュ)と合併し、ウーバーに似た配車サービスとフードデリバリーのハイブリッドを作るべきだ」と述べていた。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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