話題を呼ぶマイクロソフトとOpenAI
マイクロソフトとOpenAIは、2019年に初めて協業を開始して以来ますます緊密な関係を築いており、先日もマイクロソフトがOpenAIに数十億ドル(約数千億円)規模の投資を行うことを発表している。一方、マイクロソフトはOpenAIにクラウドコンピューティングを提供しており、今回の新しいBingの発表は、マイクロソフトのAI研究所とソフトウェアにOpenAIシステムを初めて大きく融合させたもののようだ。実際、BingはEdge上で動作することになる。新しいBing体験は、現在限定プレビューとして提供されている。試用することができたが、その体験にはかなり感動した。私のTwitter(ツイッター)では、いくつかの例を紹介済みだ。
マイクロソフトは、今後数週間のうちにテスト版の規模を拡大し、まもなくモバイル版のテストも開始する予定だ。PCは多数のOfficeやTeamsユーザーを抱えるマイクロソフトにとって好都合だろうが、モバイルで市場シェアを獲得することはかなり困難だろう。これは、モバイル市場がグーグル(Android)とアップル(iOS)のOSに握られており、現時点ではどちらもグーグル検索をデフォルトとしているためだ。
競合の内実と検索の未来
私は、Bingへのシェアの移行はこれまで以上に大きなものになると考えているが、グーグルからの急激な移行が起きるとは決して思っていない。これも破壊者が一瞬「破壊と混乱」を引き起こした事例の一つだが、検索コミュニティはしっかりと根付いているため、やはり一朝一夕に移行することはないだろう。Amazon(アマゾン)やFacebook(フェイスブック)なども検索に進出しているが、最大市場規模(TAM)は拡大し、ユースケースも進化している。今回マイクロソフトは大きな驚きを与えると共に、私たちの検索方法を永遠に変えるほどのインパクトを与えた。短期的には、グーグルがどのように競争の激化を切り抜けていくのか、またこの発表がマイクロソフトの次の数四半期の収益と投資家心理にどのような影響を与えるのかに注目することが大切だ。私はアナリストとして、これらすべてが消費者にとっての勝利であり、近い将来、インターネットの利用方法を刺激するイノベーションの時代を呼び起こすと考えている。(forbes.com 原文)