上の画像は昨年9月22日に撮影されたものだが、今月9日になり初公開された。設置から43年になるハッブルの広視野カメラ3が捉えた複数の画像を組み合わせたもので、土星の「B輪」の左側にはしみのようなものが見える。
土星には複数の輪があり「B輪」が最も大きく最も明るい。画像のしみは「スポーク」と呼ばれる謎のちり粒子の集まりで、電気的な擾乱(じょうらん)によって作られると考えられている。見る角度によって、明るくも暗くも映る。
ハッブルの最新画像に捉えられた2つのスポーク(SCIENCE: NASA, ESA, AMY SIMON (NASA-GSFC) IMAGE PROCESSING: ALYSSA PAGAN (STSCI))
スポークは、1980年代にNASAの探査機ボイジャーが最初に発見。その数は、土星が秋分を迎える2025年5月6日に向けて増える見通しだ。
土星が太陽を一周するには29地球年かかるため、季節の変わり目は約7地球年ごとになる。直近の2009年8月の秋分には、NASAの探査機カッシーニが下の素晴らしい画像を撮影した。
2009年8月に土星が秋分を迎えたおよそ1か月後に探査機カッシーニが撮影した自然色画像。土星の表面には輪の細い影がかかっている(NASA/JPL/SPACE SCIENCE INSTITUTE)
土星は太陽系で最大の輪を持っているが、輪を持つ天体は太陽系内にさらに6個ある。つい最近、冥王星の半分ほどの大きさの小さな天体「クワオアー」を取り巻く輪が発見されたばかりだ。1月にはジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡(JWST)が、同じく小さな天体「カリクロー」の輪を撮影した。
(forbes.com 原文)