経済

2023.02.10

EV電池のレッドウッド社、米エネ省から20億ドルの低利融資獲得

T. Schneider / Shutterstock.com

Tesla(テスラ)の共同創業者で元CTOのJB・ストラウベルが設立したバッテリーのリサイクルと部品製造を手がける「Redwood Materials(レッドウッド・マテリアルズ)」は、連邦政府から20億ドル(約2600億円)の低金利融資を受け、電気自動車(EV)用バッテリーの製造に必要な重要部品の米国での製造を拡大する。これらの部品は現在、ほぼすべてをアジアからの輸入に頼っている。

ネバダ州カーソンシティに拠点を置くレッドウッドは、米エネルギー省の「先端技術車両製造プログラム(ATVM)」からの低金利融資を獲得し、地元での事業を拡大するとともに、サウスカロライナ州に第2工場を建設する準備を進めている。同社は、数年前にネバダ州で使用済みバッテリーの再利用を開始し、リサイクル材料で電池部品の製造を進めている。

レッドウッドはすでに10億ドル(約1300億円)以上の資金を調達しており、ネバダ州とサウスカロライナ州の事業に約50億ドル(約6600億円)を投じようとしている。

「今回の政府からの支援は、ベンチャーキャピタルやエクイティ投資とはまったく異なる低金利の融資で、我々にとって有利なアプローチだ」と、ストラウベルはフォーブスの取材に語った。

ストラウベルは、テスラが2006年に最初のバッテリー駆動車であるロードスターを発表して以来、自動車業界の電動化を推進するための重要な役割を担ってきた。彼は2019年までテスラのCTOを務め、バッテリー開発プログラムを指揮した後に、電池のリサイクル分野に焦点を移した。

レッドウッドは当初、使用済みバッテリーや電子機器から回収したリチウム、ニッケル、コバルトなどのレアメタルを外部に販売していたが、最近ではバッテリーのアノードとカソード(プラスの電極とマイナスの電極)部品の材料に用いている。大手自動車メーカーは数百億ドルを投じてEV用のバッテリー工場を新設しているが、リチウムイオン電池に必要なこれらの重要部品を現在主に中国、韓国、日本から輸入している。
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編集=上田裕資

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