サービス

2023.02.15

アップルの空間オーディオに挑む、WONKが語る「立体音楽制作」の裏側

WONKはアルバム『artless』の制作でLogic Proの空間オーディオ制作ツールを日本でいち早く採用した

2021年6月、Apple(アップル)の音楽配信サービスApple Musicが「Dolby Atmos(ドルビーアトモス)による空間オーディオ」(以下、空間オーディオ)という新しいサービスを始めた。録音技術は時間と場所による制約から音楽を求めるリスナーを解放した。空間オーディオはリスナーを360度全方位から包み込む立体音響体験をかなえる技術だ。現在、Apple Musicでは空間オーディオによる楽曲が続々と配信されている。

アップル「Logic Pro」による空間オーディオ制作にいち早く挑戦した

2021年10月に、アップルは音楽制作アプリケーション「Logic Pro」の機能をアップデートして空間オーディオの制作ツールを追加した。このLogic Proの新機能を日本のクリエイターの中でいち早く採り入れて、2022年夏にアルバム『artless』をリリースした気鋭のバンドがWONKだ。

WONKはソウルやファンク、ヒップホップ、R&Bにジャズなどさまざまなジャンルの音楽からインスピレーションを得て、型にはまらない独自の音楽を紡いできたエクスペリメンタルソウルバンドだ。2013年の結成から数えて、今年10年のアニバーサリーを迎えている。

メンバーはドラムスの荒田洸氏、ベースの井上幹氏、ボーカルの長塚健斗氏、そしてキーボードの江﨑文武氏の4人。江﨑氏は2022年にForbes Japanの「世界を変える30歳未満」の30人の1人に選ばれている

WONKのメンバーは各自がソロワークによる作品を発表したり、他のアーティストのプロデュースも手がける。そして長塚氏は料理家、井上氏はゲームのサウンドデザイナーとして活躍するプロフェッショナルでもある。

新譜『artless』ではWONKの原点に立ち戻り「4人でできる音づくり」を探求してきたという。生楽器による巧みな演奏と、デジタルサウンドが自然に溶け合う全6曲にWONKの世界観を詰め込んだ力作だ。



Apple Musicが配信する空間オーディオの楽曲は、高価な再生コンポーネントを揃えなくても、iPhoneにMac、AirPodsにHomePodなど対応する普段使いのデバイスでシンプルに再生できる。ぜひ多くの音楽ファンに『artless』を聴いてほしいと思う。

今回はWONKのメンバーに、空間オーディオによる創作から得た手応えや、表現手法として立体音響技術が持つ可能性をクリエイターの目線から語ってもらった。
次ページ > 空間オーディオでも「ありのままの音楽」を目指す

編集=安井克至、写真=落合明人

ForbesBrandVoice

人気記事