文化庁文化経済・国際課課長補佐の中平公士氏
策定中の基本計画では、7つの重点取組の1つとして、デジタル技術を活用したした文化芸術活動の推進も挙げられている。具体的な取組の1つとしては、急速に拡大するメタバースなどの仮想空間における創作活動の良好事例を整理し、その活用を図るための方策を検討することなどが記載されている。
すべての都市に均等にソリューションを提供できるわけではないが
黒田氏からは2021年6月からスタートさせた、VR SNSを事例として挙げながら「メタバースの本質は人と人との交流」と指摘。黒田氏の所属する文部科学省は教育やスポーツ、文化、科学技術などを管轄しているが「これって要するに人とのつながりがあって初めて生まれるものが多い」(黒田氏)ためだ。文部科学省Policy Making for Driving MEXT(ポリメク)メタバース検討チーム代表黒田玄氏
そこで文部科学では、課室にとらわれず省内横断的な勉強会を立ち上げて取り組んでいるとのこと。現時点では具体的にどう活かすかといった事例はないものの「有識者のアカデミアの方や民間の方を呼んで文科省において、どのような所を活用できるか」を体験会などを通して研究している。
黒田氏はさらに「UGC(一般ユーザーが生み出すコンテンツ)をどう確保するか」をポイントに挙げている。路上での弾き語りなど、現実の世界で行われているエンターテインメントを同じようにメタバースでユーザーが自発的に集まってコンテンツを生み出せるようなステージなどのシステムが必要というわけだ。
金山氏は「全部の都市に機会均等でソリューションを提供できるわけではない」と指摘するものの「大都市と大自然がテクノロジーを使うと超高付加価値が提供できるのでは」と話している。これは大都会は人がたくさんいるので、多くの人に楽しんでもらうことを前提にマネタイズしていく。一方、大自然は都会テクノロジー訪れる可能性が高い。そこで大自然にARやXRといったデクノロジーを組み合わせて、テクノロジーツを提供していくとうまくいくのではないかという。
渡邊氏は「ARだと何かを出してみようとか、なぜか広告とか出てきたり。技術屋からすると出したくなる」と話す一方、そういったコンテンツは「一般の人からすると、実用性から離れてくる」と指摘する。例えばホエールウォッチングなどで、もしかしたらタイミングが悪く見ることができないかもしれないものをARなどで補完するようなシステムが、大自然とテクノロジーの組み合わせには良いのではと話していた。
Psychic VR Lab取締役COOの渡邊信彦氏