Eコマース帝国のAlibaba(アリババ)や検索エンジン大手のBaidu(バイドゥ)など、少なくとも5社の中国企業がここ数日で、ChatGPTと同様のツールへの取り組みを発表した。アリババの広報担当者は2月8日、同社がChatGPTスタイルのボットの社内テストを行っていることを認め、バイドゥは7日にErnie Bot(アーニーボット)と呼ばれるボットを3月に立ち上げると発表した。
これらの企業のサービスの詳細はまだ不明だが、彼らが会話型AIテクノロジーのブームに飛び乗ろうとしているのは明らかだ。サンフランシスコに本拠を置くOpenAI(オープンAI)が開発したChatGPTは、人間のような会話を通じてユーザーに情報を提供することで、検索に革命を起こすと期待されている。
しかし、オープンAIが先月マイクロソフトから100億ドル(約1兆3100億円)の投資を呼び込むことにつながった、この革新的ツールは、中国ではまだ利用できない。そのため中国ではChatGPTのアカウントの転売が横行しており、アリババのECサイトの淘宝網では1アカウントが5元(約97円)程度で売られている。
シンガポールの調査会社DZT Researchの調査責任者のケイ・ヤンによれば、中国版ChatGPTの開発は法的問題に直面する可能性があると指摘する。中国の法律は、データとプライバシー保護に関してまだ「かなり曖昧」であり、アルゴリズムを訓練するためにどの情報を利用できるか、ボットがユーザーの質問に答える際に著作権で保護されたソースが含まれた場合、何が起きるかについて定かではないという。