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2023.02.09 12:00

グーグル親会社が時価総額13兆円喪失、AIが質問に誤答で

Getty Images

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Alphabet(アルファベット)の株価は2月8日、傘下のGoogle(グーグル)の人工知能(AI)チャットボットが不正確な回答を生成したと報じられたのを受けて急落した。

アルファベットの株価は、8日に一時8%急落して99.40ドルに沈んだ。同社はその前日の7日に人気のチャットボットChatGPTに対抗するAIチャットボット「Bard」を発表し、株価を5%近く上昇させたが、今回の急落で1000億ドル(約13兆円)以上の時価総額を失った。

今回の株価の急落は、グーグルが一部のユーザー向けに公開したBardの回答に不正確な内容が含まれていることをロイターが8日朝に報じたことで悪化した。

グーグルの公式ツイッターアカウントが投稿したGIF画像には、Bardがユーザーの質問に回答する場面が収められている。「9歳の子どもに教えられるジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡による新たな発見は何か?」という質問を受けたBardは「太陽系外の惑星を初めて撮影した」と回答している。

しかし、NASAのレポートによると、太陽系外の惑星の最初の写真は、2004年にヨーロッパ南天天文台の超大型望遠鏡(VLT)によって撮影されていた。

グーグルの広報担当者は、フォーブスに宛てたEメールで「今回の件は、我々が今週から開始した厳密なテストプロセスがいかに重要であるかを浮き彫りにした」と述べた。さらに「外部からのフィードバックと社内のテストを組み合わせ、Bard の回答のクオリティや安全性が高い基準を満たし、現実世界の情報に即したものであることを確認する」と付け加えた。

アルファベットにとってさらなる懸念と言えるのが、Microsoft(マイクロソフト)が7日に、同様のテクノロジーを用いたチャットボットChatGPTの導入により、同社の検索エンジンBingを強化すると宣言したことだ。ウェドブッシュ証券のダン・アイブスは「マイクロソフトは検索市場のシェアを奪おうとしている」と述べていた。

一方で、今回の失態にもかかわらず、バンク・オブ・アメリカのアナリストはグーグルのAI戦略に強気な見方を示している。「グーグルは市場の重要な部分を獲得するための技術への、長年の投資で十分な準備をしている。特に同社の検索エンジンはマイクロソフトと比較して、普及度の点で大きな優位性を持っている」と、同社のアナリストは顧客向け資料で述べた。しかし、その一方で、不正確な回答やバイアス、誤情報、有害なモデルの使用の可能性など、安全面の課題が主要なリスク要因だと警告した。

「AIは、我々が今日取り組んでいる中で最も深遠なテクノロジーだ」と、アルファベットCEOのスンダー・ピチャイCEOは今週、Bardを発表する際に述べていた。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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