コーニングは、この製品がサムスンのGalaxy S23シリーズに採用されることを明らかにした。Galaxy S22シリーズに搭載されているVictus+は、VictusをS22専用に改良したものであるため、コーニングはデータをほとんど公開していない。しかし、VictusとVictus 2の性能の違いは判明している。この新製品が注目に値するものなのか、両者の違いを詳しく見てみよう。
VictusとVictus 2を採用したスマートフォンのディスプレイは、外見にほぼ違いはない。コーニングが公表しているデータによると、両者の光透過率と屈折率は同じ値だ。同じく強化ガラスであるサファイアガラスは、高い耐傷性を誇り、ガジェット用として最適なガラスだと考えられているが、ゴリラガラスはこれらの指標でサファイアガラスを大きく上回る。
VictusとVictus 2とでは、応力や変形による光学特性の変化を示す「光弾性定数」が若干異なるが、この値はスマートフォンやスマートウォッチでの使用に影響を与えるものではない。
ガラスの硬度やスクラッチ耐性をテストする最も簡単な方法の1つは、硬い工具で表面を引っかいてみることだ。コーニングは、ダイヤモンドの先端でガラスを引っかく「ヌープ・ダイヤモンド・スクラッチ・テスト」を実施しており、結果はVictusの7~10ニュートンに対し、Victus 2は8~10ニュートンだった。また、密度はVictus の2.40g/㎤に対し、Victus 2は2.41g/㎤だった。
VictusとVictus 2は、化学耐久性において顕著な違いが出たが、実使用でその差を感じることはないだろう。2つのガラスを塩酸に24時間浸した結果、Victusは1㎠当たり49.9mgが溶出したのに対し、Victus 2はわずか3.6mgしか溶出しなかった。この値は、古いモデルであるゴリラガラス5の5.9mgにかなり近い。この結果は、VictusとVictus 2の組成が、いくつかの点で大きく異なっていることを示している。
破壊強度はVictus 2がやや上
コーニングは、VictusとVictus 2の両方に対して高さ2mからの落下耐性試験を行っているが、これはかなり高身長のユーザーを想定したもので、理に適ったテストだと言える。テスト結果を詳しく見ると、Victus 2の方がわずかに強度が優れていることがわかる。Victus 2の破壊強度は、Victusの0.76 MPa m0.5に対して0.82 MPa m0.5であり、落下したときにより割れにくい。以下の数値はゴリラガラスが世代を重ねるごとに強度を増していることを示している。
・ゴリラガラス2:0.68
・ゴリラガラス3:0.66
・ゴリラガラス5:0.69
・ゴリラガラス6:0.70
・ゴリラガラスVictus:0.76
・ゴリラガラスVictus 2:0.82
(Forbes.com 原文)