日本でもスーパーやコンビニへ行けば必ず見かけるが、1人当たりのチョコレート消費量はドイツの約5分の1に過ぎず、世界では想像以上に消費されているとわかる。ドイツの年間消費量はなんと板チョコ約200枚分にもなる。
これほど人気になったのは、手頃な価格で買えることが大きな要因だと考えられるが、その裏には深刻な問題が隠れている。今回は、チョコレートの「苦い真実」を解説していく。
カカオの産地はどこ?
チョコレートの原料であるカカオは、カカオベルトといわれる赤道の南北20度以内、いわゆる亜熱帯の地域で栽培されている。
世界のカカオの4割近くをコートジボワールが生産しており、西アフリカ地域が全体の約7割を占める。
日本はというと、カカオの7割以上を世界2位の生産国ガーナから輸入している。ガーナは国を挙げてカカオを管理しているため、品質が非常に安定しているのだ。
カカオの価格が低迷している
チョコレートが100円で買えてしまう要因の1つとして、カカオの国際価格が低迷していることが挙げられる。
世界的に需要が拡大しているにも関わらず、40年前と比べても価格はほとんど変わっていない。
また、生産できる地域は限られているため、西アフリカの生産量によって大きく国際価格が変動する。世界のカカオの約90%は小規模農園で生産されており、国際価格が下がると大きな打撃を受けてしまうのだ。
生産者はカカオが何になるか知らない
生産者のほとんどはカカオが何に使われているかすら知らないといわれており、価値がわからずメーカーと価格交渉することができないため、言い値で売らざるを得ないのが現状である。
結果として賃金が上がらず、有毒な農薬を散布する作業や、重い袋を運ぶ仕事は子どもが担っている。
コートジボワールとガーナだけでも、危険な状況で働いている子どもは156万人に上るといわれ、このうちコートジボワールは79万人、ガーナは77万人とされている。