フロリダ州のブランドン・ラッセルとメリーランド州のサラ・クレンダニエルは、ボルチモア(メリーランド州にある同州最大の都市)の「完全な破壊」を狙った攻撃を実行することを目的としていたと、連邦検事エレク・バロンが記者会見で述べた。
南部貧困法律センターによると、ラッセルは2015年に米国で人種戦争を引き起こすための攻撃を実行することを目的としたネオナチグループ「アトムヴァッフェン・ディビジョン」を設立した。
バロンは「ボルチモア地域の複数の変電所を銃撃する」計画を立てていたと述べており、ボルチモア在住のFBI特別捜査官トーマス・ソボシンスキーは、2人は「ただ話しているだけでなく、脅迫を実行するための手段を講じていた」と述べた。
ソボシンスキーは、この計画が昨年全国で起きた変電所への他の攻撃と関連している兆候は「ない」と付け加えた。
ワシントン・ポストによると、ラッセルとクレンダニエルは過去数年の服役中に連絡を取り合い、関係を築いた。ラッセルは爆発物不法所持の罪で、クレンダニエルはナタでコンビニを襲った罪で服役していた。
ラッセルとクレンダニエルからコメントを得ることはできず、弁護士がついているかどうかも不明だ。
「彼(ラッセル)は、変圧器を攻撃することを『誰かができる最大のこと』と表現していた」とソボシンスキーは述べている。
2人はエネルギー施設を破壊するための陰謀で起訴された。有罪になれば、それぞれ最高20年の禁固刑に処される。
昨年にまとめられた国土安全保障省の報告書では、電力網への攻撃は国内過激派の最重要ターゲットとされており、ジョージ・ワシントン大学の過激派プログラムによる9月の報告書では、白人至上主義者が「予想される米国政府と社会の崩壊のための口実」として攻撃を想定していると述べている。エネルギー省によると、電力網への攻撃は2022年に163件と過去最高を記録し、前年比77%増となった。最も影響が大きかったのはノースカロライナ州ムーア郡での攻撃で、4万5000軒以上が停電し、ワシントン州でも別の攻撃で約1万4000人軒が停電した。ワシントン州の事件では大晦日に2人が逮捕され、ノースカロライナ州の事件では当局が最高7万5000ドル(約982万円)の報奨金を出している。
(forbes.com 原文)