サティア・ナデラCEOは「検索の新時代が始まる」と述べ「レースは今日から始まる。我々は迅速に行動する」と語った。
マイクロソフトは、ナデラとオープンAIのサム・アルトマンCEOの両方からの発言を含むキーノートで、ChatGPTよりも強力な大規模言語モデルを、検索エンジンのBingに搭載するためにオープンAIと協力したと述べた。刷新されたBingでは、従来の検索結果の右側のボックスに人工知能(AI)による注釈が表示される。
また、新規に設置される「チャット」タブをクリックすると、検索ページがChatGPTに似たチャットモードに切り替わる。この機能の使用例として同社は、カスタマイズされた食事のプランや、おすすめの旅行プランの作成のデモを行った。アルトマンによるとBingのAIモデルは、ChatGPTとGPT-3.5から重要な学びを得て「より高速で高性能」に進化したという。
「当社は、地球上で最大のソフトウェアカテゴリである検索を再構築しようとしている」とナデラは話したが、これは検索市場を支配しているGoogle(グーグル)に対する挑戦状と言える。
「マイクロソフトがうまくやれば、現在の検索市場でのシェアがわずか9%のBingが、グーグルから顧客を奪えるかもしれない」とウェブドッシュ証券のアナリストのダン・アイブスらはレポートで述べている。
マイクロソフトはまた、Bingをツールバーの右上に埋め込んだブラウザ「Edge」の最新版を発表した。新たなEdgeでは、企業の決算報告などのウェブページの情報を要約したり、競合の業績と比較することが可能になる。また、ソーシャルメディアに投稿を行う際に、Bingに下書きの作成を依頼できる。
マイクロソフトは2019年に10億ドル(約1310億円)をオープンAIに出資した後、1月にさらに100億ドル(約130億円)の投資を約束し、サンフランシスコに本拠を置く同社の価値を290億ドル(約3超8000億円)と評価したと報じられた。