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2023.02.09

デジタルでペット産業の課題解決 愛犬・愛猫の一生に寄り添う

PETOKOTO設立者の大久保泰介

ペット用のフレッシュフードをサブスクで届ける「PETOKOTO FOODS」を主軸に、保護犬や保護猫と飼い主をつなぐマッチングサイト「OMUSUBI」、獣医ら動物の専門家によるデジタルメディア「PETOKOTO MEDIA」などを展開。代表の大久保泰介が目指すのは、ペットの一生に寄り添い、ペットが家族として受け入れられる社会の構築だ。

「ペット業界はデジタル化と遠く、飼い主が得られる情報には偏りがある。また殺処分などの社会課題も多く、人生をかけて取り組みたい」と話す。提供するフードは、獣医栄養学専門医の獣医師とレシピ開発し、契約した農家の国産食材をメインに、人用の食品工場で製造したもの。

原材料や製造過程が不透明で、日持ちや扱いやすさなど人間の都合が優先されがちなペットフードの課題に向き合い、累計販売数は2年で1,000万食を突破した。ペット医療の分野にも進出する。

動物病院ごとに価格が異なる、待ち時間が何時間にも及ぶなどの不透明さを解消する、日本初のサブスク型の動物病院を2025年までに立ち上げる予定だ。ペット保険やペットオーナー向け不動産事業などへの領域の参入、アジアへの展開も視野に入れる。「ペットにまつわるすべてのサービスをひとつのアプリで体験できる、コンシェルジュのようなプラットフォームを実現させたい」


おおくぼ・たいすけ◎同志社大学経済学部卒。グリーを経て、2015年にシロップ(現・PETOKOTO)を設立。「IVS2022 LAUNCHPAD NAHA」で第1位を獲得した。

text by Mikako Tsutsumi photograph by Shunichi Oda

この記事は 「Forbes JAPAN No.101 2023年1月号(2022/11/25発売)」に掲載されています。 定期購読はこちら >>

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