起業家

2023.02.08

オンライン見積もりで“現場仕事”を効率化FSMの先駆者を目指す

ミツモア共同創業者の石川彩子

エアコンクリーニングや電気工事、税理士やカメラマンによる記念撮影まで、300種類を超える暮らし関連サービスのオンライン見積もりができるプラットフォームを提供するのが「ミツモア」だ。その独自性は、引っ越しやリフォームなど、従来は見積もりの際に現地調査が必要とされてきた「複雑性の高いサービス」にも対応している点にある。

CEOの石川彩子がこの事業を立ち上げたきっかけは、庭師やリフォーム業者などのいわゆる「現場仕事」を担う人たちが、見積書や発注書などの作成や交渉に時間と労力を奪われており、ボトルネックになっていると気づいたことだった。

「多様なサービスの見積もりをひとつのサイトで実現する」という石川の構想は、元ヤフオク開発者であるCTO柄澤史也との出会いを経て2017年に実現。

創業6年目のいまも、売り上げは倍速成長を続けている。22年8月には短期の現場仕事を手がける事業者を対象に、スケジューリングや顧客管理など、見積もり以外の業務も効率化するSaaS「MeetsOne」もローンチ。石川が今後目指すのは、こうした日本におけるフィールドサービスマネジメント(FSM)の先駆者となることだ。

「事業の成長とユーザーの満足が同時に実現できる仕組みをつくる。日本のサービス産業が成長し続けるためのエコシステムを築きたい」


いしかわ・あやこ◎東京大学法学部卒。ベイン・アンド・カンパニー勤務、MBAの取得後、シリコンバレーのEC企業でデータ分析や経営戦略などを担当。2017年、ミツモアを共同創業。

text by Mai Ichimoto photograph by Shunichi Oda

この記事は 「Forbes JAPAN No.101 2023年1月号(2022/11/25発売)」に掲載されています。 定期購読はこちら >>

タグ:

ForbesBrandVoice

人気記事