日本のメタバースが世界を主導するために、MVJが5つの柱を提案

渋谷ストリームホールで開催された「Metaverse Japan Summit 2023」

2023年2月1日、一般社団法人Metaverse Japan(MVJ)は「Metaverse Japan Summit 2023」を開催した。昨年行われた前回と同じく、渋谷ストリームホールを会場として「テーマセッション」と「インタラクティブセッション」と2つのステージ設置し、オープニングも含めて合計30のセッションが行われた。

ルールができていないのでチャレンジができない

テーマセッションで行われた「メタバースが拓く新しい日本のあり方」では、MVJの代表理事を務めている長田新子氏と馬渕邦美氏をMCとして、ゲストにデジタルガレージ取締役共同創業者チーフアーキテクトの伊藤穣一氏と、慶応義塾大学医学部教授で同じくMVJの理事も務める宮田裕章氏が登壇。またセッションの冒頭にはオンラインで自民党web3プロジェクトチーム座長の平将明衆議院議員も参加している。


昨年に引き続きオンラインでの参加となった平将明衆議院議員

平議員は前日に行われた衆議院の予算委員会さらに全閣僚の前で、web3について質疑を行ったとのこと。その上で自身の役割を「メタバースもそうなのですが、私の役割はweb3全体のエコシステムを見て、税制とかレギュレーションのデザインにしていくっていうことだ」と説明。「α世代と呼ばれる若い世代の人たちが何の違和感もなく、メタバースの世界で動き回り、またいろいろなビジネスの発想を出していくのだと思います。そういった若い才能が何かやろうっといったときに、日本はルールができていないのでチャレンジができない。そういったことを避けなければいけない」と話している。

さらに平議員は「地方創生とweb3はすごい相性が良い」とのこと。これは地方にあるさまざまな価値を顕在・最大化させ、さらにはグローバル価格に仕切り直すのに、web3が効果的なため。「ふるさと納税という政策ツールがありますので、今後はNFTと掛け合わせた地方創成モデルがどんどん出てくるのではないか」と予測している。

政策コンセプトの実現に向けた5つの柱

セッションでは長田新子氏から、MVJについての現状やアップデートについて説明があり、2022年3月設立と1年も経過していない状況ながら、会員数は142まで増えており、自治体から大企業だけでなく、スタートアップ企業や学校など、産官学が集まった形となっている。


MVJ代表理事の長田新子氏

また各種専門家のメンバーが集まってバーチャルライフや実空間関連・物理メタバースなどさまざまな分野でのワーキンググループも毎月開催。政府提言のワーキンググループも行っており、イベント同日には「世界を主導する日本のメタバース産業」という産業政策の提言も発表されている。
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文=中山智、編集=安井克至

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