その第一候補がアルミ缶です。アルミ缶には、リサイクル率が高く、リサイクル費用がビンの約半分というメリットがあります。またガラスビンとアルミ缶とでは、同じ容量でも重さが10分のほど非常に軽量なため、輸送時のCO2排出量も大きく削減できます。
そうした理由から同社は、アルミ缶は日本酒の海外展開にも最適だとしています。日本酒造組合中央会によると、日本酒の輸出額は13年連続で伸びていて、2022年度は434億8900万円にものぼりました。農林水産省も、輸出戦略上の重点品目に日本酒を入れています。海外ではアルミ缶入りワインの需要が急増しているとのことで、缶入り日本酒はキラーコンテンツになるとの期待もあります。
すでにAgnaviでは、「ICHI-GO-CAN」と「CANPAI」という1合アルミ缶入りの日本酒ブランドを展開し、「蔵の大小に依存しない地方の酒蔵の魅力を発信する」ことを目指して全国70種類以上の日本酒を販売しています。しかし、そこで流通面や消費面の有効性が示されたものの、アルミ缶が酒に与える品質上の影響については、いまだ科学的な確証が得られていません。蔵元も、そこがいちばん気になるところです。そこで、東京農業大学と全国の蔵元とが連携したこの研究で、しっかりと調べようということになったわけです。
アルミ缶による日本酒の販売は、「地方の歴史ある酒蔵が存続安定できるようにするゲームチェンジャー」になるとAgnaviは話しています。なかなか手に入らない幻の銘酒なんていうのも、1合アルミ缶で気軽に試せるようになると楽しいですね。
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