リサイクル素材のルービックキューブを大手玩具メーカーが発売

安井克至
業界団体の米国玩具協会は2022年、市場調査グループ「The Insights Family(ジ・インサイツ・ファミリー)」のデータを引用しつつ、環境とサステナビリティは保護者たちにとって最大の関心事になっていると指摘した。

そのデータによれば、3歳から9歳の子どもを持つ米国保護者の64%は、サステナビリティに配慮した調達を行っている玩具であれば、通常より高い価格でも購入する意思があると答えている。また「よりサステナブルな生活を送るために積極的に行動している」と回答した人の割合も、すべての保護者の3分の2に達した。

スピンマスターは2021年、より広範な企業の社会的責任に関するキャンペーン「Playsponsible(プレイスポンシブル)」を立ち上げた。多様性やサステナビリティに関する取り組みなど、社会的な目標を推進する手段として玩具を活用する方針を掲げたものだ。

さらに3年前には、革新的なリサイクル企業TerraCycle(テラサイクル)との提携を開始した。これにより保護者は、古くなったスピンマスターの玩具やその包装を送付し、無料でリサイクルしてもらうことが可能になった。ライバルのMattel(マテル)、Hasbro(ハズブロ)、Lego(レゴ)も、使わなくなった玩具をリサイクル、あるいは寄付できる同様のプログラムを実施している。

真っ先に「グリーン化」される製品の1つとしてルービックキューブが選ばれたのは、これが永遠の定番製品で、販売数が多く、しかもほぼすべてのパーツがプラスチックでできているためだ。「これ以上ないほどうってつけの選択肢であることは明らかだった」と、スミサムは説明した。

スピンマスターのデザインチームは当初、リサイクル素材を80%用いたルービックキューブを作ることを目標としていたが、素材の強度や発色に関する問題を克服できることが判明したため、100%リサイクル素材を使ったキューブの製造に踏み切った。

スピンマスターは、ルービックキューブというブランドを所有していた企業ルービックス・ブランドを、2020年に5000万ドル(約66億円)で買収した。

米国で1980年に発売されて以来、ルービックキューブの累計販売数は5億個以上にのぼり、年間で2000万個売れていると推計されている。

forbes.com 原文

翻訳=長谷睦/ガリレオ

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