3つの座席オプションには、最前列の最も価格が安い「バリューサイトライン」席や、標準的な「スタンダードサイトライン」席、場内の中央にあるプレミアム的位置づけの「プリファードサイトライン」席が用意される。
この新たなオプションは、午後4時以降に上映されるすべての映画に適用され、AMCが5ドル(約660円)の割引価格を設けている火曜日には適用されない。この取り組みは、すでに国内のいくつかのAMCシアターで始動しており、年内に全米に拡大するという。
AMCは、劇場のチケット売り場や自社のモバイルアプリ上で、チケットの価格表と座席マップを顧客に提供する。
この施策は、映画業界がストリーミングとの戦いに苦戦する中で導入された。Box Office Mojoのデータによると、米国における2022年の映画チケット売上は74億ドル(約9700億円)で、2020年の21億ドル(約2800億円)や、2021年の45億ドル(約5900億円)からはやや回復したが、パンデミック前の110億ドル(約1兆4400億円)以上の売上を、まだ大きく下回っている。
Varietyによると世界2位のシネコンのリーガル・シネマズは先月、親会社のシネワールドが9月に破産を申請した後、39の劇場を閉鎖すると発表した。一方、ストリーミングサービスは、その勢いを増しており、より多くの映画ファンを取り込んでいる。2022年第3四半期のDisney+の加入者数は2億3500万人で、ネットフリックスの加入者数は2億2300万人と報告された。
AMCは、他にも映画ファンを再び映画館に呼び戻すための施策を進めている。
2022年12月に同社はVisaとの提携で、Perfect for AMC Moviegoersと呼ばれるクレジットカードを立ち上げ、最初の3カ月間に50ドル(約6600円)を使った顧客に、50ドル分の映画館のクレジットを提供すると発表した。同社は、このカードが米国の映画館業界で初の取り組みだと述べている。
(forbes.com 原文)