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2023.02.09 08:00

「130億円も調達するべきではなかった」冷凍コーヒーのコメティアが大苦戦

「素晴らしい製品だ。でも会社は1億ドル(約130億円)も調達するべきではなかった」。


Cometeerを始めた当時は大学を卒業したばかりで、現在32歳のロバーツは、特にある投資家から大きな影響を受けていたとも、4人の関係者は語っている。その投資家は、電子タバコメーカーのJuul(ジュール)、物議を醸したオンライン住宅ローン事業のBetter.com(ベッタードットコム)、フィンテックのユニコーン企業Ramp(ランプ)などの企業を支援したベンチャーキャピタリストのザック・フランケルだ。(ディスクロージャー:本記者はフランケルと大学に通っており、その後も面識を保っている)。フランケルはロバーツと会社の雇用と解雇の決定に大きな影響力を及ぼしていたと、関係者は述べている。

情報筋によると、若く、アイビーリーグやそれに匹敵する学歴を持ち、多くの場合白人で男性という、彼らの好む型にはまらないリーダーたちは、ロバーツの信頼を維持するのに苦労したと彼らは付け加えている。(ある人は、コーヒー業界のベテランリーダーの多くがCometeerに雇われなくなった一方で、2021年にプリンストン大学を卒業後すぐに入社したコーヒー製品の責任者は、彼のLinkedInによれば、まだ残っていると指摘している) 。「それは内輪の社交界的な文化だった」と、ある元社員は言う。フランケルはコメントの要請をCometeerに照会した。マンデルとロバーツは、会社の文化に関する質問には答えなかった。

しかし、ロバーツ自身に対する投資家の信頼は、10月に新しいマーケティング・リーダーを採用したことで揺らいだ。2人の関係者によると、この採用は取締役会に知らされておらず、2週間以内に撤回され、この幹部は解雇されたという。2022年12月、Cometeerが水曜日に20人ほどの社員を解雇したとき、ロバーツ自身の役割も危うくなった。

同社は、社員に退社を通達した同じ週に、最高執行責任者のマシュー・マンデルが共同CEOに就任することを社内で発表した。マンデルはLinkedInのプロフィールを更新したが、この動きは公には発表されていない。Forbesが見た組織図によると、移動後のCometeerのほとんどのチームと社員はマンデルの監督下にあり、ロバーツは営業とPRの社員数人を担当することになったという。


2023年の第1週、Goldman Sachs(ゴールドマン・サックス)の銀行員たちは、マンハッタンのオフィスの外に置かれたCometeerのカートに立ち寄り、無料のコーヒーカップとポッドを楽しんでいた。この投資銀行がオフィスの無料コーヒーを一部カットした直後、Cometeerの「オーナー」と名乗る従業員は、この演出を取材したNew York Postの記者にこう語った。「状況は悲惨です。みんなコーヒーの廃止にひどく落胆しています」。

秋には、Cometeerはそのような機会のために多くのブランドアンバサダーを雇ったと、事情通は語っている。Forbesが確認した組織図には、そのような役割を担う人が17人おり、同社のあらゆる職種の中で最多となっている。(この「オーナー」は、ニューヨークのフィールドマーケティング責任者として登場している)。ノイマイヤー人事部長が最近退社したものの、Forbesの取材に応じた元社員のほとんどは、マンデルのリーダーシップのもとで会社はより良い展望を迎えられると考えていた。少なくとも1人は、会社がまだ状況を好転させるシナリオが見えると語った。

ある元社員は、Cometeerが価格モデルを見直し、外部の経験豊富なCEOを迎え入れることができれば、「まだうまくいくモデルがある」と主張した。しかし、他の人々は、後知恵で「バラ色の眼鏡」は取り除かれたと言う。「私が得た大きな収穫は、このスタートアップの世界では、多くの煙と鏡が存在し得るということだ」と、解雇されたCometeerのスタッフの一人は言った。

ほとんどの人が、Cometeerの株を買うという選択肢は、あまり意味がないと思っているという。「そこで働こうとする人には、もっと研究することを勧める」と、ある人は言った。この場合、コーヒーの香りを嗅ぐだけでは不十分だったかもしれない。別の元社員はこう言った。「素晴らしい製品だ。でも会社は1億ドル(約130億円)も調達するべきではなかった」。

forbes.com 原文

翻訳=上西雄太

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