ロンドンの和食店「engawa」や広尾の複合施設「EAT PLAY WORKS」などを手がけてきた外食大手のトップと、シカゴ生まれのノンヒューマン・アーティスト。年の差20歳のふたりが、温泉での「裸の付き合い」を通して、友人としての距離を縮めた。
最近、日本の地方が面白い
井上盛夫:海、好きなんです。ここ「eden(エデン)」は、千葉県勝浦市の「かつうら海中公園」内に、うちの会社が今年7月に開業した複合施設です。施設の指定管理者を市が探していると知り、手を挙げました。リアス式海岸沿いに、オーシャンビューの天然温泉スパとレストランを併設しました。
![かつうら海中公園滞在型観光施設 「edén」。海を一望するインフィニ ティ温泉は開放感抜群。](https://images.forbesjapan.com/media/article/60698/images/editor/91eafafa1c4001d79e9f6bb3b1cdd82cc0dfd929.jpg?w=1200)
西麻布など都会に飲食店を展開し、海外にも進出しました。でも最近は、日本の地方が面白い。勝浦でも冒険気分で近所を歩いているのですが、ワクワクして子ども返りしてしまいますね。
勝浦で採れた野菜や伊勢海老を使ったフードメニューを開発して地元の資源を循環させ、過疎化が進む地域で雇用を創出する。未知の魅力を発掘して世に出すことも、サステナブル活動の一環です。
![施設内のイスや机は、倉庫の残 木材や旧店舗の床材、流木など を使って手づくりした。](https://images.forbesjapan.com/media/article/60698/images/editor/a8e595139f99faf490825bbdd02a6396509dd0e3.jpg?d=800x600)
食と並んで、アートも地方創生の原動力になります。そこで施設開業と同時に「海岸線アートプロジェクト」をスタートさせました。その第1弾を任せたのが従寛です。知り合いから紹介されたときに、ビビビッとひと目惚れ(笑)。彼は絶対でかくなる、面白いことをしでかす。何をするのか見てみたいから「そこにおって!」と。思考が深く、若いけど経験もあり、考え方も独特なので、しゃべっていて楽しくて。年の離れた「友人」です。
![いのうえ・もりお◎1966年、兵庫県生まれ。立命館大学在学中から飲食店経営に携わり、90年に禅を設立。97年ちゃんと副社長に就任。2002年、ソルト・コンソーシアムを設立。多業態の飲食店運営をはじめ、サービス業全般の総合プロデュース事業を手がける。](https://images.forbesjapan.com/media/article/60698/images/editor/f47a4fac29c8524c862aa194e325ed882b18b9c1.jpg?w=1200)