Amazon(アマゾン)、Microsoft(マイクロソフト)、Meta(メタ)、Google(グーグル)、Goldman Sachs(ゴールドマン・サックス)など、世界で最も収益性の高い大企業が発表した従業員解雇に見られるように、事務系企業の不況が顕在化した中でCEOらの処遇はそのままだった。
積極的な人材採用、そして記録的な高インフレ率や急激なコスト上昇に対応するための準備不足など、トップが下した決断は組織の運営に口を出さなかった従業員に影響を与える大規模な解雇という結果を招いた。しかしCEOや経営幹部はミスをしたにもかかわらず、相応の責任と苦痛から免れてきたように思われる。
だが株主、モノいう投資家であるヘッジファンド、企業の取締役会が一部の最高経営責任者の給与削減で行動を起こし、潮目が変わりつつある。Alphabet(アルファベット)のスンダー・ピチャイ、Apple(アップル)のティム・クック、JPMorgan(JPモルガン)のジェームズ・ダイモン、ゴールドマン・サックスのデイビッド・ソロモン、Morgan Stanley(モルガン・スタンレー)のジェームズ・ゴーマン、Intel(インテル)のパット・ゲルシンガーらは全員減俸となる。打撃とはなるだろうが、これらのトップらは株式報酬でかなりの額を得ているため、GoFundMeでクラウドファンディングキャンペーンを立ち上げる必要はないだろう。
グーグル
グーグルは従業員1万2000人の解雇に加え、コスト削減の一環として上級経営幹部の報酬を削減する計画だ。ウォール・ストリート・ジャーナルによると、ピチャイは1月下旬に行われた全社員ミーティングで、上級副社長クラス以上の幹部は「年間ボーナスが大幅に減る」と発表した。こうした役職の場合、報酬は会社の業績と連動しているとピチャイは指摘した。ピチャイの報酬がどの程度削減されるかは不明だ。金融専門誌バロンズは2022年12月、ピチャイがアルファベットの取締役会から約2億1000万ドル(約280億円)相当の新たな株式パッケージを授与されたと報じたが、これは株価次第となる可能性がある。