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2023.02.06 12:00

アマゾン幹部に聞く、これからもAlexaとEchoに変わらず注力する理由

2021年秋にはアマゾン初の家庭用ロボット「Astro」も誕生した。米国では昨年から招待制により1000ドル(約13万円)で販売を開始した。リンプ氏は「高価な製品でありながら、私たちの期待を超える大きな反響を得た」と満足げに手応えを語った。昨年秋にはAstroの内蔵カメラにより、家の中で暮らす犬と猫をペットとして見分ける検知機能を追加した。飼い主の不在中にペットがいたずらをしようとしたときには、Astroのスピーカーでペットに声をかけて「しつけ」もできるという。第1弾モデルのAstroがユーザーに好評価を受けたことで、今後「Amazonのロボット」が一般にも広く普及することになるのだろうか。

構造改革後もAlexaのイノベーションは続く

アマゾンは、昨年末から本年初に合計で1万8000人を超える数の従業員を解雇する計画を明らかにした。パンデミック以前からデバイスやサービスの需要が好調だったことから、アマゾンでは積極的に人材を採用してきた。ところが昨今は不透明な経済状況の中で長期的な健全性を保つために重要なことを優先的に検討した結果、今回の決断に至ることになった。

発表の前後に各所の報道機関が伝えているように、アマゾンにとってAlexaを中心とする音声サービスの開発は負担になってるのだろうか。

筆者の質問に対して「その答えはシンプルに『No』だ」とリンプ氏は即座に切り返した。

リンプ氏は今後もアマゾンが音声サービスの開発に変わらず注力する考えを述べたリンプ氏は今後もアマゾンが音声サービスの開発に変わらず注力する考えを述べた

「大切な人材を手放す決断は大きな痛みをともないました。今回会社を離れることになったスタッフのうち、約2000人は私と同じ組織の仲間たちです。中にはAlexaに携わっていたメンバーも含まれています。今、仲間を失うのはとても辛いことです。一方で、Alexaに関わるスタッフもまだ大勢います。私たちはこれからもこれまで以上に音声サービスやAlexaの研究開発に力を入れて取り組みます。なぜならアマゾンは現在もAIによる音声サービスが目指す頂の頂点にいるからです。現時点で将来のことを詳しく伝えることはできませんが、今後の10年間にも驚くほどたくさんのイノベーションを届けたいと考えています」
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編集=安井克至

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