コロナ禍の中で生活を支えたFire TV。「アマゾンのロボット」も誕生
アマゾンのコンシューマ向けデバイスの中には、2020年の春から続いた新型コロナウイルス感染症によるパンデミックの間に大きな成長を遂げたものもある。一例はストリーミングメディアプレイヤーの「Fire TV」シリーズだ。米国では長らく品薄の状態が続くほど人気を博したという。リンプ氏は、米国でもコロナ禍による「巣ごもり生活」が長く続いたことで、テレビが家族の生活を支えるデバイスとして重要な役割を担ったと振り返る。その影響は、動画コンテンツ配信サービスの各家庭への普及をおよそ2・3年早めたともいわれている。実際に、米国ではDisney+やHBO Max、その他新しいスポーツ系動画配信プラットフォームが過去数年の間に台頭してきた。
コロナ禍の中、アマゾンの新たな事業領域に属する2つのカテゴリーも飛躍した。
1つは2020年にアマゾン傘下のRingが発売した車載用セキュリティカメラ「Ring Car Cam」だ。スマートフォンやAlexaに対応するスマートホーム機器と連携して、遠隔地から愛車の様子を監視できる機能が注目を浴びた。2023年初に発表した新製品は前面・背面向きのデュアルカメラを搭載し、センシング機能を強化。自動車の盗難犯罪が頻繁に発生する欧米では、コロナ禍の後もRing Car Camの勢いが衰える気配を見せないという。
アマゾン初の家庭用ロボット「Astro」コロナ禍の中で発表され、招待制ながらも販売は好評を博したという