連邦政府の記録によると、アマゾンプライムエアーが公共の場所を横切ろうとしたときに連邦航空局(FAA)が介入し、許可なく道路や人々の上を飛ぶことをその都度阻止していた。そのため、ドローンを飛ばせる家庭の数が著しく制限された。アマゾンはFAAにこの制限を緩和するよう求めたが、FAAは新たな規則を発表し、同社の要求の多くを却下した。
アマゾンの代表者はこのほど、カレッジステーション商工会議所の会合で、同社のドローンが同地域の一部の消費者に少数回の配達を行ったと語ったが、米メディア『The Information』によると話は具体的ではなかったという。
何があったのだろうか。
アマゾンの配達用ドローンはMK27-2として知られ、機体の重さは約36キロだ。最大積載量は約2.2キロとなっている。Alphabet(アルファベット)の子会社Wing(ウィング)やWalmart(ウォルマート)の提携企業であるFlytrex(フライトレックス)やZipline(ジップライン)が使用しているドローンよりはるかに重い。ウィングによると、同社は米国、オーストラリア、フィンランドでWalgreens(ウォルグリーン)やDoorDash(ドアダッシュ)といった提携企業のために30万回以上配達した実績がある。ウォルマートのドローンは、ペーパータオルや鶏の丸焼きなど6000品以上を配達した。FAAは重いドローンに対してより厳しい規制を設けている。ウィングとウォルマートのドローンの重量は約4.5〜18キロだ。
The Informationが引用したFAAの記録によると、FAAは一般的にウィングとウォルマートの提携企業に車道の上の横断を許可している。これらの企業に発行されたFAAの適用除外には「一時的な方法で車道の上を飛行すること」が許可されているとある。しかし、アマゾンは「当局の許可がない限り」車道の上を飛行することを禁じられた。
The Informationはアマゾンプライムエアーのテスト飛行にはむらがあることを指摘している。アマゾンのドローンはテスト中に少なくとも8回墜落した。そのうち少なくとも2回の墜落では、規制当局が調査する前に同社は墜落の証拠を移動させたとFAAは指摘した。同社は飛行テストで誰も怪我をしていないと述べた。
規制があるにもかかわらず、アマゾンは最近までアマゾンプライムエアーの見通しを誇大宣伝し続けた。The Informationはアマゾンプライムエアーの副社長デイビッド・カーボンが2020年代末までに年間5億個の荷物をドローンで配送することを目標としていると報道陣に語った言葉を引用している。
ドローンは配達を迅速化し、顧客は早く買い物をしたい。消費者はアマゾンの最新ウィジェットをより安全な配送方法で手に入れるべきだと筆者は思う。同社はすでに一部の商品を1日以内に配達しており、予定配達日よりも早く配達することがままある。そんな同社の存在により、業界はより迅速な配達を余儀なくされている。
(forbes.com 原文)