ウクライナ当局者らは米国や欧州が所有する余剰の戦闘機F16、あるいはフランス製の戦闘機ミラージュさえ求めている。その要求にどれほどの緊急性があるのか、問う価値はある。
ロシアが2022年2月にウクライナに侵攻して以来11カ月間に、ウクライナの戦闘機や攻撃機が52機以上破壊されたことが外部のアナリストによって確認されている。しかし、開戦時にウクライナ軍は何機の戦術戦闘機を持っていたのか。また、損失を補填するために飛べない機体を何機修理したのだろうか。
ウクライナの当局以外は誰も正確なことは知らないが、推測は可能だ。しかしSu-27は特に把握が難しい。
ウクライナ空軍は、ロシアの侵攻時に戦闘機MiG-29を50機ほど保有していたとみられる。この軽量の超音速戦闘機のうち少なくとも16機は大破したが、ひとまずのところ失ったものと同数のMiGを修理したか、外国から入手したようだ。
ウクライナ空軍は1年前、超音速爆撃機と偵察機であるSu-24を24機ほど保有していた。ロシア軍は少なくとも13機のウクライナ軍のSu-24を破壊したが、おそらく古いSu-24が非常に多く保管されており、ウクライナの技術者は失った分を補充することに何の問題もなかった。
戦前、ウクライナが所有するSu-25は約30機だった。2022年2月以降に失ったのは15機。NATO加盟国は自国が所有する亜音速のSu-25を計18機供与した。これは戦闘での損失を補って余りある。
ウクライナ軍は、ロシア軍の攻撃前にMiG-29、Su-24、Su-25を計約105機保有していたようだ。それから1年、これらの機種はまだ105機ほどある。
つまり、主要な戦闘機は超音速で飛び、迎撃能力があるSu-27のみとなる。これらの数を把握するのは最も困難だが、それはもっともだ。高速で機動性に優れ、適応性のあるSu-27はウクライナで最も有用な戦闘機かもしれない。
ロシア機のパトロールを行い、かなりのリスクをともなう爆撃を行い、ロシア軍の防空に向けて米国製の対レーダーミサイルを発射することさえある。
ロシアはSu-27を破壊したい。ウクライナは維持したい。ウクライナの同盟国はSu-27を所有していないため、この戦闘機の1機、1機が非常に貴重なものとなっている。代替機の明確な外部供給源はない。