起業家

2023.02.10 09:00

渡辺創太の海外戦略 アメリカで勝つなら「地の利」を活かせ #3

渡辺:昔、孫さんは日本市場でタイムマシン経営を実践して成功されていましたが、今成功するなら、アービトラージ(さや取り)経営が最適解だと思っています。

当社の場合だと、先にグローバルでお金や人を集めて、ある程度の実績がある状態で日本に進出しました。そして、日本でも実績を積み上げてそれをアメリカにもっていく。その両輪で、グローバルでの影響力を上げていくんです。

なので2023年は、Backed by Japan(日本市場で通用することが証明された)的なブランドとして成功して、2024年には、Astarが国際的なレイヤーブロックチェーンブランドだと認識される状態に持っていきたいですね。

内山:Backed by Japanを活かしてグローバルに仕掛けていく際には、具体的にはどのような実績が必要そうですか?

渡辺:日本のID数ですね。Astarが日本で圧倒的にユーザー数を抱えている、または圧倒的に企業で活用されている状態になる。そうすればOpen SeaなどのNFTプラットフォーマーが興味を持って「それならAstarにも対応しようか」という態度になりやすいはずです。

Web3は日本にチャンスがある

内山:最後に、起業家の育成について議論しましょう。

僕自身も、グローバルのさまざまなWeb3関連プロジェクトに関わったり、ピッチを見たりしています。しかし、やはり海外プロジェクトのチームメンバーは、経験値もスキルも圧倒的に高い人材が多いと感じます。

すでに、Web1やWeb2の時代に一定程度の成功を収めたような人たちがWeb3の業界に入ってきている。そのなかで、起業経験、製品開発経験、マネジメント経験、成功体験も無い日本出身の若い方たちが、で、若さとアイデアと情熱だけを持って海外にいっても、成功確率は正直高くないと思うんです。僕個人としては応援したいですが、単純に支援しつづけてよいのか?と悩むことがあります。
次ページ > 「覚悟がないなら日本で戦えばいい」

取材=内山幸樹 構成=水落絵理香 編集=露原直人

タグ:

ForbesBrandVoice

人気記事